HUSAプログラムでイギリスへ

 


山崎 瑞季さん(地理学・考古学・文化財学コース 考古学分野)の留学体験談をお届けします。

  • 留学先:シェフィールド大学(イギリス)
  • 留学プログラム:HUSAプログラム
  • 留学期間:2023年9月25日~2024年2月3日
写真1

イギリスはどんなところでしたか。

 主にイギリス中央に位置するシェフィールド地方の市街地で生活しており、伝統的な大聖堂や植物園、沢山の人が集まる大学の図書館やカフェで過ごすことが多かったので、穏やかで心地良い街だと感じました。また、郊外にはなだらかな丘陵が広がっており雄大な自然を感じる場所でもありました。

HUSAプログラムに参加しようと思ったきっかけは何ですか。

 高校生の頃から英語に触れるのが楽しく、海外へ行ってみたいという気持ちがありました。また、語学留学というよりも専攻する分野での勉強を主とした留学に興味があり、専攻分野の授業が履修できる中・長期的な留学制度を探していました。そして、広島大学に学費を納めることで留学先の授業料が免除されるという経済的利点、大学国際部の職員の方や先輩方によるサポートの存在から安心して留学に臨めると感じ、HUSAプログラムに参加しようと思いました。

シェフィールド大学での学生生活について教えてください。

 授業はセミナー形式のものが多くを占めていました。そのため、セミナー内のディスカッションについていくために事前に論文を読み漁ったり、同じ班のクラスメイト達と大学の施設に籠ってプレゼンテーションの準備に勤しんだりと、英語での作業に苦心しつつ取り組みました。
 放課後には、クラスメイトとカフェやパブ、マーケットに行ったり、Japan Societyという大学サークルの言語交流や季節行事に参加したりして現地の学生と交流をしました。また、大学寮に住んでいたため、フラットメイト(=ルームメイト)と一緒に大学のジムに行ったり、みんなで料理をつくったりして賑やかな日々を過ごしました。
 休日には、近くの植物園に散歩に行ったり、興味のある遺跡や博物館へとひとりで遠出したりしました。また、Peak Districtというハイキングで有名な丘陵地帯へ友人と登りに行き、イギリスの地形や風景を自分の目と足で実感することができました。

写真3
写真2

留学してよかったこと、印象的だったこと、一番の思い出などについて教えてください。

 最も印象的だったことは、景観考古学の講義の一環として実際に踏査(フィールドワーク)に参加したことです。日本から持参した登山装備や実測道具を携えて、現地の先生や地元の方々と一緒にロックアート(先史時代に岩に施された線刻)の分布調査を行いました。さらにフォトグラメトリという技術やGISを用いて、ロックアートの3Dモデル作成や地理的環境との関係について分析を行いました。実際のフィールドワークでは、傾斜のある広大な湿地で、草を掻き分けつつ地表のロックアートを探しました。体力的にも大変な調査でしたが、やり切った時の達成感は大きかったです。

写真4

現在どんなことを研究されていますか。

 広島市の被爆遺跡で出土した瓦について、砕けた痕跡、焼けた痕跡、そして主に熔けた痕跡に着目して分析を行い、痕跡の背景にどのような状況が想定されるか考古学的な視点から明らかにしようと試みています。分析の際には、イギリスでの分布調査で学んだGIS分析を活用しながら研究に取り組んでいます。

将来の夢は何ですか。

 将来は、自分の語学力や専攻分野に関する知識・技能を生かし、行政の埋蔵文化財専門職として地域の文化財をしっかり後世まで守っていける人材になりたいです。

「留学したい」と考えている学生へメッセージをお願いします。


up