メールマガジン No.l (2005年1月号)

リテラ友の会     メールマガジン    No.l (2005年1月号)
2005/01/07広島大学大学院文学研究科・文学部
 
口口目次口口
1.岸田研究科長からのご挨拶
2.文学研究科(文学部)ニュース
3.今月のコラム(表象文化学講座  有元伸子教授)
4.みなさまの声(講演会感想)
5.広報・社会連携委員会より
 
【1.岸田研究科長からのご挨拶 大学院文学研究科長  岸田裕之】

  人文学は,時代や地域の構造、その思想や文化等について、著作や語りによって広く人々の心に迫る性格をそなえています。そうして人々を魅了し、人間の生きざまの視座から相互に響き合えれば最高です。私たちはこれまでも学外には公開講座等でそうした機会はつくってきました。
 
  「リテラ友の会」は、大学と地域をより一層緊密につなぎ、人文学の価値観の共有をはかり、それを広げかつ深めてしく“場"です。多くの人々が創造的に参加したくなる双方向的な関係の形成と発展をねらっています。
 
   地方分(主)権へ向かうこれからの地域文化の振興には、こうした活動が不可欠です。異業種の人々との交流や協力は、
大学人にとっては刺激的であり、自分を見直す機会になります。
 
これからの大学は,異なる分野の研究者が協同して社会連携を強め、時代や地域の文化を論じ、その将来を語り合える場になることが求められています。そうして私たちは、存在感のある「なくてはならない大学」を築いていきたいと思います。               
 
【2.文学研究科(文学部)ニュース】
○ 2005年1月21日(金)  17:00〜18:00
公開講演会「世界の中のフランスとフランス語」
講師:ジャン=ガブリエル・サントニ(広島大学大学院文学研究科助教授)
 
○ 2005年1月24日(月)17:30開場、18:00開演
広島大学大学院文学研究科主催「リテラ  ニューイヤーコンサート」 一広島交響楽団弦楽四重奏一
 
○ 2005年2月9日(水) 15 時〜16時30分 中田高教授退職記念講演会
「地形から地震をさぐる」
 
【3. 今月のコラム : 文学研究科表象文化学講座 有元伸子教授】
「富士のふもとへ三島に逢いに」
  皆さま、こんにちは。私は、この4月に広島大学文学研究科に着任し、表象文化学講座で日本近代文学の教育・研究を担当しております。
 
 私の主たる研究テーマは、三島由紀夫の文学を(ジェンダー〉と語〈り〉の視点から読解することです。〈ジェンダー〉とは、いわゆる男らしさ/女らしさといった社会的・文化的な性差のことですが、三島は生涯、性をテーマに物語を語りつづけました。たとえば初期の『仮面の告白』は、世間から求められる男らしさから疎外された哀しみを、開き直りに近い形で、語っています。男女の心理的抗争を扱った小説や戯曲も多く、その様相を読み解くことは、きわめて興味深い問題を提示してくれます。
 
 さて、私が現在取り組んでいるのは遺作となった『豊饒の海』で、これは輪廻転生をモチーフにした長篇小説です。 5年前、山梨県山中湖村に、貴重な資料を収蔵した三島由紀夫文学館が設立されました。館所蔵の『豊饒の海』の原稿や創作ノートを調査し、加筆・削除の末に原稿が生成してしていく過程を、作品テーマに即して検証しているところです。
 
 広島から山中湖へは、交通機関を乗り継いで8時間近くかかります。これからも、ときに夜行列車に乗りながら、雪の冠をかぶった富士山のふもとへ通って研究を進め、その成果を授業においても還元したいと思っています。 
 
【4. みなさまの声】
  昨年、11月から12月にかけて計3回おこなわれました広島大学大学院文学研究科主催公開講座「21世紀の人文学」講座 2004には、多数のみなさまにご来場いただき、どうもありがとうございました。
その際のアンケートでお寄せいただ、きました感想を、一部ですが紹介させていただきます。
 
○ 第1回「歴史のなかの世界遺産」(11月20日)について 「このような講義をもっと市民に提供してほしい。これからの大学の使命であると思う。」 「大学の授業に見られる固いイメージがなく聴講してよかった。」
 
○ 第2回「多文化社会と人間」(11月27日)について 「レジュメとおりよく整理され、理解しやすい。旅行の視点もニュースの見方も変わってくるような気がした。」 「福音派の「音」を辞書で調べられた先生の深い人間性から研究の深さを感じ取った。」
 
○ 第3回「21世紀における古代社会の究明一地面の下から歴史を読みとる」(12月11日)について 「古瀬先生の講義は判りやすく楽しかった。ユーモアがあるので興味が涌きまた受けたいです。」 「文学部の分野が幅広いことがよくわかった。他の文学部の先生の公開講座もしてほしし、。」
 
【5. 広報・社会連携委員会より 委員長 岡橋秀典】
◇委員長からのご挨拶◇
  岡橋です。明けましておめでとうございます。リテラ友の会・メールマガジン第1号はいかがでしたでしょうか。有元先生のエッセイを頂戴し,創刊号にふさわしい充実した内容になりました。昨年の公開講座「21世紀の人文学」には多数の方にご出席いただき,広報・社会連携委員会一同,大いに勇気づけられた思いです。今年も,文学部・文学研究科ならではの企画を次々打ち出しご案内しますので,ご期待下さい。新年早々,サントニ先生の講演会やニューイヤーコンサートが開かれます。皆様にお目にかかれることを楽しみにしております。
 
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リテラ友の会・メールマガジン
オーナー:広島大学大学院文学研究科長 岸田裕之
編集長:広報・社会連携委員長 岡橋秀典
発行:広報・社会連携委員会
 
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広島大学大学院文学研究科 部局長支援室
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