メールマガジン No.10(2006年5月号)

リテラ友の会 メールマガジン No.10(2006年5月号)
2006/5/26 広島大学大学院文学研究科・文学部

□□目次□□
1.新・文学研究科長より(文学研究科長 富永一登)
2.今月のコラム(文学研究科助教授 八尾隆生)
3.文学研究科(文学部)ニュース
4.広報・社会連携委員会より

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【1.新・文学研究科長より】

文学研究科長 富永一登

  文学部・文学研究科の学問である人文学は、思想や生活や言葉を通して文化の有り様を考え、それらを創造する過去から現在に至る人間の心に迫るものです。その人間の心は、もちろん一つではなく個性豊かですから、より多くの人々と触れあうことは、人文学にとってとても大切なことだと思います。

 そこで、私たちは「21世紀の人文学」という公開講座などを通して、広く学外の人たちと触れあう機会を設けてきました。私たちが研究している人間の叡智を、より多くの人たちと共有し、現在あるいは未来に活かしていくことを願ってのことです。

 「リテラ友の会」は、私たちと皆様方との連携を双方向的に行える“場”であり、文学部・文学研究科と社会とのつながりをより一層緊密にしていくパイプとして貴重な存在です。皆様からの声と私たちの声とが響き合うようになれば、人文学の将来にとって大きな力になります。

 皆様とともに、大学や社会になくてはならない人文学研究の存在感をアピールできるようにしていきたいと思っています。遠慮のないご意見をお寄せいただければ幸いです。

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【2.今月のコラム】

「ハノイのバスにて」歴史文化学講座(東洋史学)助教授 八尾隆生

 1991年から私は2年ヴェトナムのハノイに留学していました。当時はまだまだ交通量も少なく、四輪車といえばダンプとバス。新車も少なく、日本製の中古バスが走っていました。「嵐山」行きの表示のまま京都市営バスが走っているのを見て少々ホームシックになったことも。ただバス停らしきものもはっきりせず、留学生には無縁のものでした。

 最近は経済発展により増え続ける交通量に対応するため、政府も本格的にバス交通網の整備をはじめ、外国人にもずいぶん使いやすくなりました。ひと乗り3,000ドン(20円強)と安いし、路線マップも手に入るようになり、今年の3月は専ら市内の図書館で仕事をしていたため、ホテルと往復するのに毎日用しました。

  感心したのは「敬老精神」が生きていること。老人が乗ってくると、皆席を譲りますし、そうしないと車掌が「譲れ」とはっきり言います。さすがは儒教の国! 私ももちろん従いますが、ある日、いたずらっ気を出して、座ったまま車掌の顔色を窺ったのです。案の定、「立って」と目配せ?をおくってきたようなのでその時は気持ちよく譲って降車したのですが、今になって不安になってきました。ひょっとして「じいさんはいいよ」という意味だったんじゃないのか? 白髪のめだつ自分の頭をみながら疑心暗鬼にかられています。高度成長期の日本以上のスピードで変わってゆくヴェトナムですが、これからもこの老人をやさしく迎えて欲しい、そう願うばかりです。

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【3.文学研究科(文学部)ニュース】

*大学院文学研究科オープンキャンパス
 今年度の大学院文学研究科のオープンキャンパスは、7月31日(月)に開催される予定です。大学院に進学をご希望のかたは、ぜひお越しください。詳しくはウェブサイトにてお知らせします。

*文学部オープンキャンパス
 今年度の文学部オープンキャンパスは8月3日(木)・4日(金)に開催される予定です。文学部への入学・編入・聴講などをご希望のかたは、ぜひお越しください。詳しくはウェブサイトにてお知らせします。

*『人文学へのいざない』をさしあげます
 前号にもご案内いたしましたが、文学研究科の教員スタッフがそれぞれ専門とする学問の魅力や面白さを綴ったエッセイを集めた冊子『人文学へのいざない』を引き続きリテラ友の会会員の皆様に無料でさしあげています。ご希望の方は、210円分の切手を貼った返信用封筒(角形2号)を同封の上、郵送
下記までお申し込みください。

【あて先住所】
〒739-8522 東広島市鏡山1−2−3
 広島大学大学院文学研究科 部局長支援室
        「人文学へのいざない」担当 宛

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【4.広報・社会連携委員会より 妹尾好信】

 本年度から広報・社会連携委員会の委員になった妹尾好信(せのお・よしのぶ)と申します。専門は日本文学で、それも平安朝文学、物語とか和歌とかを研究しています。千年前の京都を舞台にしたお公家さんの文学を読むことを仕事にしているものですから、どうしても浮世離れしてしまいます。厳しい現代社会をうまく生きていくすべをどのようにして身につければよいのかわからずとまどってばかりいる情けない者ですが、どうぞよろしくお願いします。少子化の影響や社会に開かれた大学が望まれる中、大学の広報・社会連携活動はますます重要になってきています。私たちは、これからも知恵をしぼって広島大学文学研究科のPRにつとめていきたいと思っています。ただし、広報活動が大事だからと言って、豪華なパンフレットをたくさん作ってばらまいたり、電車に広告をぶらさげたり、テレビやラジオでCMを流したりというように、経費をふんだんに使って、その結果、研究費が削られて学問が衰退するということになっては元も子もありません。本来の仕事である研究と教育をしっかりやって、あまりお金をかけないでその研究や教育の成果を多くの人々に知っていただく方法を考える、それが私たちの務めだと思っています。とりあえず、このメールマガジンは、お金のかからない広報活動として大変有効なものだと思います。ご愛読、そしてご支援をお願いいたします。

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リテラ友の会・メールマガジン
オーナー:広島大学大学院文学研究科長 岸田裕之
編集長:広報・社会連携委員長 岡橋秀典
発行:広報・社会連携委員会
 
広島大学大学院文学研究科・文学部に関するご意見・ご要望、 配信中止・配信先変更についてのご連絡は、下記にお願いいたします。
広島大学大学院文学研究科 部局長支援室
電話     (082)424-6604
FAX    (082)424-0315

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