リテラ友の会 メールマガジン No.32(2009年9月号)
2009/9/28 広島大学大学院文学研究科・文学部
□□目次□□
1.文学研究科・文学部互助会旅行レポート
2.学会動向
3. 文学研究科(文学部)ニュース
4.広報・社会連携委員会より
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【1.文学研究科・文学部互助会旅行レポート】
『文学部互助会旅行参加記』 歴史文化学講座 前野 弘志
去る9月12日(土)と13日(日)の両日、毎年恒例の文学部互助会旅行が行われました。その時の模様をお伝えします。
今年の旅行は、熊本県の「黒川温泉に泊まる旅」で、参加人数は22人でした。週間天気予報によると、雨にはならないはずだったのですが、出発日の朝には、雨が降り始めました。どうも雨男が混ざっていたようです。
最初の目的地、柳川での川下りの時には、本降りになりました。船は低い橋をくぐるため、屋根はなく、傘もさせず、私たちは備え付けのフード付きビニール合羽を着ることになりました。KKK団か、あるいはネズミ男の集団か、私たちを乗せた舟は、雨の中を約1時間、迷路のような水路を進みました。
黒川温泉は、山深い渓谷にある温泉町で、温泉宿の他には何もありません。
宿の部屋では、川の響きが聞こえます。豪勢な宴会の後、場所を変えて、有志による大カラオケ大会が挙行されました。シナトラ、演歌、歌謡曲、懐メロ、エルビス、クイーン、Jポップ、ラップ、フォークなどなど、めいめいが歌いたい曲を歌い、みんな裸になって(文字通りの意味ではありません)、盛り上がりに盛り上がりました(終了時間になっても終わず、係りのおばさん、ごめんなさい)。
最終日は、前日の雨が嘘のような晴天になりました。私たちは、天領日田の豆田町に立ち寄り、酒蔵を見学し、酒屋を大いに富ませました。博多駅へ帰るバスのサロンは、またもや大宴会場と化し、買ったばかりの濁り酒が2本、瞬く間に空きました。
走る宴会場「文学部号」は、来年はどこの温泉町に行くのでしょうか。
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【2.学会動向】
『広島英語研究会ERAと国際学会SHELL』欧米文学語学・言語学講座 今林 修
広島大学文学部英語英文学には、元来三つの講座があった。
第一講座英語学、第二講座英文学・英詩、第三講座アメリカ文学・シェイクスピアである。第一講座英語学の歴史は東京大学から赴任したディケンズ学者の山本忠雄博士に始まりますが、その意志を継ぎ、発展させたのは、世界のチョーサー学者桝井迪夫博士でした。
広島英語研究会ERA(The English Research Association of Hiroshima)がいつ発足したかは定かではありませんが、その夏季研究大会が今年で50周年を迎えました。この大会の特徴は、8月の初旬に3日間連続で会員の研究と学際的活動の相互交流を図り、最終日には文学作品を語学的に精読するテクストリーディングを午前中に行い、その後「英語学座談会」と称して、一泊の宿泊研修に出かけるところにあります。当時の桝井教授の目は常に国際的であって、ふつう日本の学会は2日間で終わるところを最後の座談会を含めて4日にしたのは、英米の学会を意識されたのでありましょう。
話を二年前の名古屋に戻しましょう。
SHELL(The Society of Historical English Language and Linguistics)は2005年に千葉大学で第一回大会が開催された隔年開催の国際学会で、第二回大会は2007年の名古屋大学でした。広島研究会からは中尾佳行教授(本学教育学研究科)と私が参加していました。その総会で、「次は広島大学でお願いします」との声があがり、2009年第三回大会は広島大学でお引き受けすることになりました。その後、広島英語研究会会長の地村彰之教授(本研究科)と相談し、昨年の総会でSHELL第三回大会は広島英語研究会の夏季研究会50回記念大会との共催が決定されました。
この一連の共催は、8月27日(木)から30日(日)まで4日間続き、日本、韓国、中国、イギリス、アメリカ、カナダ、オーストラリア、ドイツ、ポーランド、フィンランドの世界十ヶ国からのべ70人に及ぶ参加者が集まりました。五つの基調講演、二つのシンポジアム、十七編の研究発表、懇親会、宮島への遠足、そして最後は地村会長の素晴らしい閉幕のスピーチにて、お陰様で成功裏に終えることができました。ホームページの立ち上げ、宿泊のお世話、食事、電子メールのやり取りと、国際学会ならでは苦労がありましたが、当初一番心配した資金繰りもサタケ財団の補助金、広島英語研究会からの補助金、そして寄付金によりなんとか乗り越えることができました。
このような国際大会を難なくこなせたのは、桝井教授の時代から広島英語研究会の目が常に海外に向いていたことにほかならず、機関紙ERAも四半世紀にわたって英語で世界に発信してきたことにも一因があると思います。また、最近広島研究会の会員が積極的に海外の学会で毎年発表しており、さらなる国際化を進めているのも現状です。
最後になりましたが、この場をお借りして、サタケ財団をはじめSHELL2009,Hiroshimaにご協力いただきましたみなさまに心より御礼申し上げます。また、本大会の論文集が来年スイスの出版社Peter Langから上梓される予定です。
ホームページもご一読いただけたら幸甚です。SHELLの次回大会は2011年千葉大学です。
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【3. 文学研究科(文学部)ニュース】
○「文藝学校」講演会のお知らせ
広島大学大学院文学研究科では、文学・語学系の教員を中心として「文藝学校」と名づける講演活動を展開しています。今年で7回目を迎えます米子での講演会を、以下の要領でとりおこないますので、お知らせいたします。
日時: 10月31日(土) 午後1:30〜4:40
場所: 本の学校 2階 多目的ホール(米子市新開2丁目3番10号)
演題1:異質な文化を学ぶ意味
講師:松本陽正(広島大学文学研究科教授)
内容紹介:フランス(人)と日本(人)とを比較しながら、異質な文化を学ぶ意味について考えてみます。
演題2:酒と詩
講師:狩野充徳(広島大学文学研究科教授)
内容紹介:古来「百薬の長」「忘憂物」と言われる酒。中国は陶淵明・李白・白楽天の酒の詩を読解し、鑑賞します。
演題3:歌の力
講師:位藤邦生(広島大学名誉教授)
内容紹介:それぞれの時代に歌は人々に大きな力を与えてきました。歌を作る人にも、歌を鑑賞する人にも、歌は、大きな勇気と慰めを与えました。短歌、長歌などのほか、歌謡も含めて考えてみます。
○広島大学大学院文学研究科・文学部主催公開講座
リテラ「21世紀の人文学」講座2009−広島から多喜二を読む−
・講師:友澤 和夫(文学研究科地表圏システム学講座教授)
「もしや蟹工船、さらば蟹工船−蟹工船ブームと日本経済の未来−」
・講師:瀬崎 圭二(日本・中国文学語学講座准教授)
「<身体が殺されている>ということ」
日時:2009年11月28日(土)13時30分〜16時30分
場所:広島市まちづくり交流プラザ研修室C(〒730-0036 広島市中区袋町6番36号)
受講料:無料
受講対象 高校生・一般 定員60名(先着順受付)
■申込方法
電話・ファックスまたはEメールで『氏名・年齢・電話番号』をご連絡下さい。
■問い合せ先
広島大学大学院文学研究科 運営支援室グループ
TEL:082-424-6606
FAX:082-424-0315
■申込締切 11月16日(月)
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【4.広報・社会連携委員会より 後藤 秀昭】
地理の後藤です。
夏休みにモンゴルに調査に出かけてきました。調査地は北緯50度近く、標高約2000m付近でしたので、8月中旬でも朝には氷点下の気温となります。テントに寝袋の生活では、身体的に快適な環境ではありませんが、約100年前の地震の痕跡が驚くほどきれいに残されており、それを読み解く楽しさに惹かれ、昨年に引き続いての調査となりました。地形の発達の歴史を書籍のページをめくるように紐解き、過去の地震の時期やずれの量を考えてきました。
調査の途中、たくさんの遊牧民が我々の調査チームの前に現れました。自分の家の家畜を追う途中に立ち寄る馬に乗った少年が最も多いのですが、野生動物の監視員をしている人や密猟した野生動物の成果を分けてくれようとする人もいました。保護されているタルバガンと呼ばれるタヌキの一種は「かわいらしい」姿をしていると私には思えるのですが、モンゴル人にとっては、「おいしそう」な対象のようで、捕まえるつもりもないのに、出没時には車をわざわざ停めて、よだれをすすりながら、双眼鏡を使ってその動物を必死で追います。動物を通して、文化の違いを感じました。(確かに美味でしたが・・・。)
地理学には、私が研究するような地表の形態を理学的に分析する分野もありますが、一方で、動物とヒトとの関係を地理学的に考えている人たちもいます。
地理学教室に事務局がある地理科学学会では、ヒトと動物の関係学会と共催で、2009年11月28日(土)に『多様な「ヒト−生きもの」関係と地域』と題して、シンポジウムを開きます(参加費500円.院生・学生は無料)。ウシやイノシシやコウノトリなどの動物を介して形成される人間社会や,動物との共存の問題、開発と保護の政治的な動向など、多様な視点からの発表や討論が行われる予定です。
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