メールマガジン No.81(2017年9月号)

リテラ友の会 メールマガジン No.81(2017年9月号)  2017/9/27

□□目次□□
1.オープンキャンパス2017 レポート
2.広島大学短期交換留学(HUSA)プログラムに参加するにあたって思うこと
3.安古市高校での学生指導体験について
4.2017年度文学部互助会旅行記
5.文学研究科(文学部)ニュース
6.広報・社会連携委員会より

1.オープンキャンパス2017 レポート

 今年度もお盆明けの8月17日(木)、18日(金)の両日、広島大学オープンキャンパスが開催されました。連日の猛暑の中、朝早くからたくさんの高校生が文学部にもつめかけ、用意した5会場全てで満席となるほどの盛況でした。当日、学生生活やコース・分野等の紹介を担当していただいた二人の学生さんに感想を寄せて頂きました。

○ 歴史学コース(西洋史学4年) ゲイル・エドワード

 8月17日から8月18日にかけてのオープンキャンパスにおいて、私は学生相談員を努めました。会場でのコース紹介は緊張しましたが、聴衆の皆様に文学部の歴史学コースがどういった事をする場所なのか上手く伝わっていれば幸いです。

 個別相談室では、大半の人が最初遠慮がちに入ってきたのですが、いったん話を始めると積極的に色々な質問をしてきました。一番多かった質問は入試に関する事だったのですが、その他にも大学で学べる事や一人暮らしのコツなど質問内容は多岐にわたりました。「大学では専攻以外の科目も取る事ができるのか」という質問も複数の人が聞いてきて、どうも「大学では専攻に選んだ事以外を勉強する事はできない」というイメージが一部の高校生の間では強く浸透しているようです。私達は可能な限りその誤解を解くように努めました。

 個人的に興味深かったのは、歴史学という学問がどういった事をするのかがよくわからない質問が何度かあったことです。歴史学と考古学は何が違うのかなど、鋭い質問もあり私自身にとっても自分が何を学んでいるのかを再確認できる良い機会でした。

 僭越ながら、私達の応答によって一人でも文学部への入学を決意した人がいるのならとても嬉しく思います。

○ 日本・中国文学語学コース(日本文学語学4年) 高野好子

 私は8/17、18に開催されたオープンキャンパスにスタッフとして参加しました。私を含む在学生スタッフは午前中に全体説明会のコース紹介、午後からは個別相談会での応対をしました。広島大学の中でも文学部に興味を持って訪れた沢山の方々に少しでも文学部での学びや魅力を知ってもらえるようスタッフ一同努めました。

 午前中の全体説明会でのコース紹介では五つのコースから選ばれた代表者が自身のコースの魅力や特徴について話しました。普段学んでいることを全く知らない人に説明するのはとても難しく感じましたが、自身の学びの意義や喜びについて改めて考える良い機会となりました。

 午後の個別相談会は大盛況でした。受験について不安そうに相談する子や、実際の大学生活はどのように過ごしているのか興味津々に質問する子などたくさんの高校生の疑問・質問に応対することができました。また、高校生に限らず保護者の方からもたくさん質問して頂いたことも印象に残っています。

 今回のオープンキャンパスを通じて参加してくださった高校生や保護者の方の不安や悩み、また疑問が解消され、より一層広島大学の文学部に興味を持っていただけたなら幸いです。自身も文学部での学生生活を振り返り、改めて学びについて考えることの出来た二日間となりました。

ゲイル・エドワードさん

高野好子さん

2.広島大学短期交換留学(HUSA)プログラムに参加するにあたって思うこと【欧米文学語学・言語学コース(英米文学語学専攻3年) 古木大志】

 文学部人文学科英米文学語学専攻3年古木大志です。私は2017年9月から2018年2月までの間、広島大学短期交換留学(HUSA)プログラムでイギリスのシェフィールド大学に1学期間留学することになりました。今回はその留学前の心境について書きたいと思います。

 まず今回私が利用する広島大学のHUSAプログラムについて簡単に説明します。このプログラムは学部生・大学院生(一部、学部生のみ)が本学に在籍しながら、1学期間又は1年間の学習、異文化体験、語学習得等を目的に世界の様々な国へ留学することができるプログラムで、留学先では現地学生と同様に授業に参加し、修得単位を本学での単位として認定することが可能です。

 今回私はこのプログラムでイギリスに留学するのですが、実は留学は今回が初めてではありません。これまでも短期・長期それぞれ様々なプログラムを利用し、アメリカ、タイ、スペイン、中国などでプログラムに参加してきました。また学内でも国際セミナーや国際イベントにたびたび参加してきました。それらの経験から、今回は初めての留学前の漠然とした高揚感や不安とは違った気持ちでいます。現地では広島大学での専攻と同じく英文学や英語学にかかわる授業を受講する予定なのですが、私の専攻にとって本場と言える場所で現地の学生と共に学ぶことは貴重な経験になると思います。1学期過ごすことで現地の文化、慣習に触れることも私の財産になると考えています。今回のイギリス留学は私にとって簡単なことばかりではなく、様々な面で挑戦になると思います。しかし、自分の能力を磨き、知識を高めることのできる素晴らしい機会だと思っています。これまでの経験も活かしながら現地では様々なことに挑戦していきたいと思います。そしてその経験を通して自分をさらに磨きたいと考えています。

3.安古市高校での学生指導体験について【博士課程後期1年(地表圏システム学・地理学専攻) 勝又悠太朗】

 6月28日と7月12日の2日間、広島県立安古市高校における総合的な学習の時間「知の冒険」に参加させていただきました。「知の冒険」は、同校の2年生を対象にした授業で、生徒1人1人が自らテーマを設定し、探究活動を進めていくというものです。

 お邪魔した2日間は、生徒たちの作成した研究計画書を検討する時間で、私たち大学院生はそれに対して助言や質問などを行いました。生徒たちの研究テーマは多岐に渡っており、興味深い内容のものが多くみられました。一方で、当然ながら、生徒たちのほとんどが今回初めて研究に取り組むため、研究のテーマ設定は十分にされているものの、研究の方法に関しては課題が見受けられました。そのため、生徒たちとの質疑応答は、研究の進め方やデータの入手方法、調査・実験の方法など、研究を行う際に必要となる基本的な内容を中心に進めました。

 今回、このような形で高校の教育現場にかかわることができたことは、私自身にとっても大変良い経験となりました。それと同時に教える側、指導する側の難しさも痛感しました。
この2日間で生徒たちに十分な内容を伝えることができたかは分かりませんが、少しでも今後の研究の参考にしてもらえたならば幸いです。

 この検討会の後、生徒たちは夏休みなどを利用して本格的な調査や実験を行い、年明けの1月31日に全員でポスター発表を行う予定となっております。ポスター発表会には、私たち大学院生も参加させていただけるので、生徒たちの研究成果を見に行きたいと思います。

4.2017年度文学部互助会旅行記【歴史文化学講座教授 前野弘志】

 去る9月8日(金)と9日(土)に一泊二日で恒例の文学部互助会旅行が行われました。その時の様子をお伝え致します。今年は宿泊ですが、金曜の夕方出発でした。行き先は大崎上島、かなりの近場です。貸切バスに乗り、小一時間で竹原港へ。そこからフェリーで20分、垂水港に着きます。宿は木江温泉、ホテル清風館でした。オーシャンビューのモダンな雰囲気です。参加者は男性9人、女性4人、ちょっと少ないですが、その分アットホームな感じがいいです。到着後は早速温泉。海の見える露天風呂は、日頃の憂さを晴らしてくれるはず。しかしなぜか宴会15分前。みんなカラスの行水で、浴衣に着替えていざ宴会場へ。メインディッシュはアワビのステーキ。カラオケもなく、歓談中心の大人の宴会でした。その後は温泉に入り直す人、部屋で持ち込んだビールを飲む人、バーで竹鶴を飲む人、ぐっすり眠った人、よく眠れなかった人、みな思いおもいの時間を楽しみました。

   翌日もそれぞれの好みに応じて、3つのコースが用意されていました。①朝食後、西条へ帰る組み、②島の名所を散策する組み(持参の自転車でサイクリングする人を含む)、③船釣り組みです。釣りは互助会旅行としては新機軸でした。僕は船釣り組みだったので、その時の話をしましょう。参加者は男性3人、女性3人。朝食を食べる間も無く、6時45分に宿を出て7時には港に到着。チャーターしてある漁船に乗り込みました。70歳代の船頭さん、奥さんと思しきおばあちゃん、釣りの手伝いをしてくれるおじさんの3人が出迎えてくれたました。おにぎりなどを用意して行ったのですが、「おなかすいとろう」と言っておばあちゃんが、大量のエビ天、タコ天、かき揚げを出してくれました。揚げ物が好きな僕は大喜びで、おにぎりといっしょに食べましたが,他の人たちは遠慮気味のようでした。もう入道雲の季節は過ぎていましたが、青い空に白い雲、小さな無人島に生えた松、海面の上を舞う蝶々、遠くを行くタンカーは陽炎のよう、海の上は涼しい。漁船のがなりたてるエンジン音と重油の匂いには閉口しましたが、海の上では時間がゆったりと流れるような気がしました。

   僕たちがやったのは竿を使わない糸釣りでした。一人を除いて初心者でしたが、一匹、二匹と釣果が上がり始めると、楽しくなってきました。が、ふと不安になったことがありました。果たしてこの船には、トイレというものがあるのだろうか。気になりはじめると、逆に行きたくなるものです。あるタイミングで恐るおそる船頭さんに聞いて見ました。「トイレ行きたいんですけど」。漁師さんの物言いは実に明快でした。「大か小か」。「小です」。「そしたら艫に立って、ちんちん出してしたらええが(ママ)」。「いや、それは」。「早よしたらええが」。「・・・」。「早よせい」。「大丈夫です」。その時点で10時半。あと1時間半、何とかなるだろう。この時から時間はさらにゆっくり流れ始めました。

   最初の揚げ物もサプライズでしたが、昼食の鯛の造りと鯛めしもサプライズでした。おばあちゃんが船の上で料理してくれていたのでした。涼しい青い海の上で海の幸がいただければ、こんな幸せな事はありませんが、昼は竹原で②組みと合流して食べることになっていました。その旨伝えると、船の上は少し険悪な雰囲気になってきました。そこで、造りは今から食べて、鯛めしはパックに入れて持ち帰ることで折合いをつけました。「しっかり食えよ、いらんものは食わなええ」。「いただきまーす」。船頭さんの機嫌が直り,無事釣りは終わりました。釣果はホゴ(カサゴ)、ベラ(ギザミ)、ヒョコタン(はじめて聞いた)、トラハゼ、小アジ、合わせて50匹くらいはあったと思います。ところがまたまたサプライズ。大きな鯛のお土産をもらったのでした。しかも10匹くらい。船倉で泳いでいた奴を、船頭さんが次からつぎに処理していきました。「海の魚はかわいそう」ですね。

   家に帰って、もらった鯛めしを食べてみました。ものすごく美味い。ほのかな鯛の甘みと海の塩の味。絶品だ。これを船の上で食べていたら、なおさら堪能したことでしょう。半分食べて、半分は家内のために置いておきました。家内が仕事から帰ってきて、鯛めしを食べさせたら、喜びました。そしてもっと驚かせようと思って、冷蔵庫の中に入れておいた大きな鯛を見せて、「これさばいて」と言うと、「明日ね」とそっけない返事。翌日、「鯛さばいて」と言うと、包丁を研いだり、新聞紙を用意したり、レシピ本を出したりして、料理を始めましたが、料理しながら、横で見ている僕にこんなことを言いました。鶴太郎の例をあげながら、「離婚の原因になる一番の夫の趣味は何だと思う」。「さー」。「釣りなんだって。釣り好きのダンナさんが、毎週釣りに行って、大量の生魚を持って帰るのはいいけど、さばくのを奥さんに任せると、ストレスなんだって」。確かに、生魚の処理はかなりエグい。嫌な人には酷かもしれない。これは警告か?。頭の中に『うなぎ』がよぎった。まー、僕の趣味は音楽だし、船釣りは生まれてはじめての経験だから・・・。などと色んなサプライズのあった互助会旅行でした。来年も絶対参加します。幹事様、お疲れ様でした。

 

釣果はどうだったんでしょうか?

海と島の歴史資料館(大望月邸)の前で

フェリー乗り場までmy自転車に乗り出発する岡橋教授

5.文学研究科(文学部)ニュース

○第12回広島大学ホームカミングデー文学研究科企画「文学部で味わう 世界のティータイム」を開催します。

 今年は、6人の留学生に協力いただいただいて、最初に自分の研究内容についてお話しし、その後国や地域で好まれているお菓子やお茶を飲みながら、文化・習慣などについてそれぞれのブースに分かれて皆さんとお話し交流いたします。

【日 時】平成29年11月4日(土曜日) 14:00から
【場 所】文学部1階・学生ロビー

※どなたでも参加いただけます。もちろん無料です!

 

○リテラ「21世紀の人文学」講座2017を開催します。

【テーマ】日本と中国、何が同じで何が違うのか?

【 日 時 】平成29年12月2日(土)13:30~16:40
【 会 場 】合人社ウェンディひと・まちプラザ(まちづくり市民交流プラザ)
               北棟6階マルチメディアスタジオ (広島市中区袋町6番36号)

詳しくはこちらをご覧ください。

6.広報・社会連携委員会より 【広報・社会連携委員会委員  本多博之】

 朝夕に秋の気配が感じられるようになりました。メールマガジン81号をお届けします。
今回は、8月のオープンキャンパスですっかり定着した学部紹介の学生スタッフの感想、短期交換留学を前にやや緊張しながらも期待に胸を膨らませている学生の抱負、さらに高等学校で学習指導にあたった学生の貴重な体験談など、学生の積極的な活動がうかがえる内容となりました。また、文学部互助会旅行記では、大崎上島での船釣りの様子が事細かに綴られており、その時の光景が目に浮かぶようです。特に、釣りから帰った後の「事件」(?)には思わず苦笑してしまいました。

 さて、最近のトピックスとしては、やはり広島東洋カープの37年ぶりのリーグ連覇ですね。これから一月以上も熱い戦いを見ることができるのは嬉しいかぎりです。今回のカープの優勝によって、高い年棒で選手を集めるのでは無く、磨けば光る原石を発掘して「育成」する、その重要性を指摘する声があちらこちらで聞かれるようになりました。「育成」は「教育」にもつながるのであり、学生一人一人の優れた点を見極め、それを伸ばせるよう支援する、教員としては当たり前のことですが、そのことを改めて自覚させられる良い機会となりました。  

 

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リテラ友の会・メールマガジン

オーナー:広島大学大学院文学研究科長  久保田 啓一
編集長:広報・社会連携委員長  高永 茂
発行:広報・社会連携委員会

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