メールマガジン No.88(2018年 11月号)

リテラ友の会 メールマガジン No.88(2018年 11月号)
2018/ 11/26   広島大学大学院文学研究科・文学部

□□目次□□
1.日本中国学会・日本中国学会賞 受賞によせて
2.ホームカミングデー文学研究科企画「文学部で味わう世界のティータイム」レポート
3.文学研究科外国人留学生懇談会レポート
4.文学長杯ソフトボール大会レポート
5.文学研究科(文学部)ニュース
6.広報・社会連携委員会より

1.日本中国学会・日本中国学会賞 受賞によせて【文学研究科博士課程後期 藤田衛】

 この度、「『易緯』爻辰説の考察」という論文で日本中国学会賞という中国研究における最も名誉のある賞をいただきました。受賞論文を簡単に説明しますと、爻辰説とは『易経』六十四卦の各爻に十二支を配当する説のことです。『易緯』という文献にみえる爻辰説の構造を明らかにしました。

 私は、大学院に進学してから、『易緯』を中心に研究してきました。『易緯』とは、『易経』の外伝のような書物です。『易経』は、「あたるも八卦、あたらぬも八卦」ということわざがありますように、占いの書です。中国学では「易と説文には淫するな」という伝承があります。それは、『易経』と『説文解字』の研究に手を出すと、人生が破滅するほどのめりこむかららしいです。私の経験から言いますと、それは正しいです。『易緯』研究をはじめてから、あの記述はどういった意味なのか、こうしたら辻褄があうのではないか、といった試行錯誤で頭が占有される日々でした。そのような研究に没頭できる環境に身を置けたことが、今回の受賞に繋がったと思っております。
 最後に本受賞は、指導教員の有馬卓也、末永高康両先生のご指導のたまものであり、また広島大学の日本屈指の漢籍の蔵書がなければ成し遂げられなかったことを言い添えて締めとしたいと思います。

 

受賞式の後、あいさつをする藤田衛さん

2.ホームカミングデー文学研究科企画「文学部で味わう世界のティータイム」レポート【広報・社会連携委員会委員長 宮川朗子】

 11月3日(土)、毎年恒例となっている「文学部で味わう世界のティータイム」が、14時からB104教室にて行われました。
  韓国、インドネシア、中国からの留学生3名による発表の後、お茶とお菓子をいただきながら、和やかな交流のひとときとなりました。
 まず、留学生のお話は、韓国出身の李英恩さんからはじまりました。李さんは、最初に韓国語の読み方や発音方法を解説し、街かどの看板の写真などをみせながら、実際のハングルの表記のされ方や読み方を説明しました。
  次に、インドネシア出身のアンディ・アリャン・スブリアントさんが、ご自分の経歴や夢について触れた後、写真やクイズを交えながら、インドネシアの領土や出身地のバンドンの特色をお話しました。
 最後に、中国出身の倪楽飛さんが、広島に来た理由やご自身の研究テーマなどを紹介した後、出身地の雲南省の多民族性や良さを、画像もユーモアもたっぷりに語りました。

  その後、来場された方々とともに学生ロビーに移り、ティータイムとなりました。留学生による発表も最初から満席で大変な賑わいだったのですが、ティータイムはさらに盛況で、用意されたお菓子は、20分で全て終わってしまいました。
3人のお話は、現地からの生の声であり、文学部らしい教養の深さを感じさせるものだったので、来場した方々からも、とても新鮮で興味深いお話だったという声がいくつも寄せられました。中には毎年楽しみに来られる方もいらっしゃいました。
  また、この「ティータイム」が成功に終わったのは、陰で支えてくれた学生サポーターのおかげでもあります。すでに何年もの積み重ねがある企画ですが、発表者とサポーターとがすぐに打ち解けて協力できるからこそ成り立つのだと実感しました。

  最後に発表していただいた留学生3人の感想を紹介します。

文学部で味わう世界のティータイム

開会の挨拶をする久保田研究科長
 

文学部で味わう世界のティータイム

発表者を紹介する宮川広報・社会連携委員会委員長 

○李 英恩(文学部4年)
  こんにちは、「文学部で味わう世界のティータイム」で韓国の文化について紹介した李です。
私が世界のティータイムで発表したのは今回で2回目になります。2年生だったときも多くの方が来ていただいたのですが、今回は予想を超えた沢山の方々が来ていただいて本当にびっくりしました。そのためか、緊張しすぎて韓国語の面白さを上手く伝えられなったのが少し悔しいですね。
  ティータイムでの発表を頼まれたときは韓国と日本は隣に位置していてアクセスも比較的簡単で、もう日本にはドラマや他のメディアで韓国のいろんな情報が流されていて、私が伝えられそうなのは大体手に入れる内容だったので、どのような文化を伝えればよいかという心配がありました。
  それで、私が言語学を専攻しているということもあり、韓国語をテーマで選びました。皆さんが考えた「文化」とはすこし違ったかもしれませんね。韓国のことが全く分からなっかった方には難しい内容だったかもしれないと思います。
それでも、理由はともかく異国に関心を持ち、わざわざ時間を作って発表を聞いてくださった方々も外国人に日本で地元のことを紹介できるような場を作ってくださった文学部の方々もありがとうございます。

文学部で味わう世界のティータイム

韓国を紹介する李 英恩さん

○アンディ アリャン スブリアント(博士課程前期2年)
  はじめまして、インドネシアから参りましたアンディと申します。
大学祭「世界のティータイム」に参加させていただき光栄に思っています。多くの方々に自分の国について紹介するチャンスを与えてくれて、誠にありがとうございます。
大学祭「世界のティータイム」につきましては、正直私はほとんど何も知りませんでした。参加させていただけなかったら、現在にいたるまで「世界のティータイム」について何も知らなかっただろうと思います。
  今回は、急に担当できなくなった先輩の代わりに担当させていただきました。自分の国について、プレゼンテーションをしなければならないと聞いて、どのようなことを発表すればいいか、本番の前日まではほとんど決められませんでした。
  大勢の方々の前で、発表することはとても緊張しましたが、発表したあと本当にホッとしました。インドネシアについて、少しでも知らせることができて、うれしく思っています。
  ロビーで用意させていただいたお菓子や飲み物をたくさんの方々に味わってもらい、気に入ってもらえたようで、非常に嬉しく思います。もっと食べ物を用意すればよかったと少し後悔しました。また、日本の方と連絡先を交換することができ、非常に貴重な機会だなと実感しました。今回参加させていただき、本当にありがとうございました。

文学部で味わう世界のティータイム

インドネシアを紹介するアンディさん

○倪 楽飛(博士課程後期2年)
  11月3日(土曜日)、広島大学東広島キャンパスホームカミングデーに行われる「文学部で味わう世界のティータイム」にて発表させて頂きました。貴重なチャンスを与えていただいて、心より感謝申し上げます。
 「好男児志在四方(快男児の志すところは天下に在るべし)」という座右の銘を持つ父の影響もあるのか、私は故郷(中国雲南省昆明市)を離れたことにあまり名残惜しさを感じませんでした。そして日本にいる何年間も寂しさに襲われた経験はほとんどなかったのです。自分には故郷への愛着が少ないのかな、といつも思っていたのですが、今回の「世界のティータイム」をきっかけに、私の心の深いところに眠っていた、幼い頃のエデンともいうべき故郷への思いが蘇ったよう気がします。
  私の発表では、中国で最も豊かな民族性を有する地域である雲南省の概況から始まって、幾つかの典型的な少数民族自治州について紹介しました。そして、雲南省の都心にある昆明市について、一年中ここちよい気候に恵まれることで「春の町」と称されていることや、有名な観光スポットや食べ物などを説明しました。話しているうちに、自分も改めて故郷の美しさに傾倒し、またその感動や誇りを聴衆の皆さんと分かち合う悦びを心より感じ取りました。特に、昆明独特のお菓子「鮮花餅」を食べていただきながら「美味しい」と誉めてくださった方々の笑顔を見ることができて、大変嬉しく、ありがたい気持ちでいっぱいになりました。

 

文学部で味わう世界のティータイム

中国雲南省を紹介する倪 楽飛(ニイ ラクヒ)さん

学生ロビーでの歓談の様子(李 英恩さん)

学生ロビーでの歓談の様子(アンディさん)

学生ロビーでの歓談の様子(倪 楽飛さん)

賑わう学生ロビーの様子

3.文学研究科外国人留学生懇談会レポート

  10月29日(月)、毎年恒例の文学研究科留学生懇親会を学士会館レセプションホールにて開催しました。
今年は外国人留学生95名、教職員16名の参加がありました。新入生の自己紹介や教職員との歓談、ビンゴゲームなどの余興で会場は盛り上がり、留学生も教職員も楽しい時間を過ごすことができました。
  当日参加したベトナム出身の留学生、HA QUE HUONG(ハ クエ フォン)さんに感想を寄せていただきました。
 フォンさんはPEACEプログラムによる交換留学生で,母校では日本学を専攻しています。

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  私は、平成30年10月1日に日本へ来ました。私の将来の夢は、日越の架け橋となる人材になることです。そのために、まずは日本語の教師を目指して、広島大学のプログラムで半年間、一生懸命勉強しようと思っています。
  最初は、日本に来たばかりで、いろいろなことがわからなかったし、友達が一人もいなかったし、ホームシックで寂しかったです。しかし、広島大学の教職員や学生サポーターのみなさんが熱心に手伝って応援してくれます。今は、心を開いて様々な国の友達ができました。東広島はにぎやかな町ではありませんが、自然に囲まれて暮らす生活が好きです。きれいな公園のようなキャンパスで勉強したり、時間があればいろいろなイベントに参加したりして、毎日を楽しく過ごしています。
  10月29日に学士会館で文学研究科留学生と教職員との懇談会がありました。みなさんに参加していただいて、とても嬉しかったです。でも、今年の懇談会では、中国から来た留学生ばかりで、みんな中国語でしゃべっていました。私一人がベトナム人だったので、最初は少し困りました。でも、私たちはこれから一緒に文学部で勉強するので、みなさんと友達になりたいと思いました。それで、みなさんと日本語で話し合ったり、お寿司や揚げ物、お菓子などのおいしい食べ物を一緒に食べたり、ビンゴゲームで遊んだりしました。大変楽しく過ごすことができました。
  留学生懇談会の準備をしてくださった文学部の教職員の皆さんに、心から感謝申し上げます。本当にありがとうございました。

 

外国人留学生懇談会

留学生懇親会であいさつをするハ クエ フォン

外国人留学生懇談会

外国人留学生懇談会の様子

文学長杯ソフトボール大会レポート【実行委員長 近藤弘崇(日本史学専攻)】

  10月13日(土)、広島大学西グラウンドで「文学部長杯ソフトボール大会」が開催されました。昨年・一昨年と雨天中止(昨年は第1試合の途中で中止決定)が続いたため、実に3年ぶりの正式開催でした。今年は晴天に恵まれ、全9チームが優勝を目指し、生き生きとプレーしていました。
  この大会はAブロック(男女混成チーム)とBブロック(自由編成チーム)に分かれて、専攻ごとに編成したチームが対戦する形式で、人数が足りない専攻は他専攻と合同でチームを組み、学生のみならず気合が入った先生方も参加していました。

  各ブロックの結果は以下の通りです。
Aブロック/優勝:国史談話会(日本史学) 準優勝:イナズマイレブン(中国文学語学他)
Bブロック/優勝:パワーオブドリーム(日本文学語学他) 準優勝:太陽の子達(日本史学)

  私は学生実行委員長としてこの大会の準備・運営に取り組んでいましたが、正直不安な気持ちで一杯でした。「また雨が降るのでは」「参加チームが少ないから盛り上がりに欠けるのでは」等、心配事が尽きませんでした。しかし、そのような不安や心配も無用でした。Aブロックは初心者中心で楽しくプレーしており、Bブロックはウインドミル投法で本格的な勝負が繰り広げられていました。その光景を見ると、大会を開催できてよかったと心から思いました。

  個人的にはBブロック準優勝に終わったので来年度はそのリベンジと、大会の更なる発展を願っています!!

文学長杯ソフトボール大会

Aブロック優勝:国史談話会(日本史学)

文学長杯ソフトボール大会

Bブロック優勝:パワーオブドリーム(日本文学語学他)

3.文学研究科(文学部)ニュース

○内海文化研究施設 第42回季例会・公開講演会を開催します

【 題 目 】大内義隆と安芸厳島社
【 日 時 】12月17日(月)13:30~15:30
【 会 場 】文学研究科(文学部)棟1階  B104教室 (東広島キャンパス)
【 講 師 】広島大学大学院文学研究科 教授 本多 博之

詳しくはこちらをご覧ください。

4.広報・社会連携委員会より【広報・社会連携委員会委員 中山富廣】

  晩秋も過ぎはや師走も目前です。4タームで講義をお持ちの先生方は、文字通りあわただしい「師走」になりそうですね。私は3タームでの講義も無事?(講義の準備ができず、泣きをいれて1コマ休講にしてもらった)終了しホッとしているところです。さて今回も盛りだくさんの88号お届けいたします。
  冒頭のめでたい記事、藤田君本当におめでとうございます。こういう明るいことが今後も続くといいですね。「世界のティータイム」、「ソフトボール大会」、「留学生懇談会」、すべて私は不参加でした(すみませんね)。「世界のティータイム」盛況で何よりでした。李さん、アンディ君、倪君、お疲れさまでした。これは学生サポーター、準備に東奔西走していただいた職員さんたちのサポートがあったればこその成功だと思います。「ソフトボール大会」では退職目前のK部先生が勢い余ってのスライディングで圧迫骨折されたとのこと、しっかり養生してください。それから余計なことですが、かつての名門、「広島東洋史カープ」の復活も祈っております。
  最後になりましたが、「留学生懇談会」には私の指導院生もいますので、出席しなければいけなかったのですが、なにせ次の日の午前中の授業の準備が‥‥。それはともかくこの前、フォンさんに「同胞の留学生見つかった?」と聞いたら、まだわからないとのこと、「淋しい」と言っていました。皆さん、廊下等で彼女を見かけましたら声をかけてやってください。それでは少し早いですが、良いお年をお迎えください。

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リテラ友の会・メールマガジン

オーナー:広島大学大学院文学研究科長  久保田 啓一
編集長:広報・社会連携委員長  宮川 朗子
発行:広報・社会連携委員会

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