メールマガジン No.97(2020年5月号)
リテラ友の会 メールマガジン No.97(2020年5月号) 2020/5/27
□□目次□□
1.新文学部長からのご挨拶
2.新任教員挨拶
3.文学部ニュース
4.広報委員会より
1.新文学部長からのご挨拶【文学部長 友澤 和夫】
唐突ですが、文学部講義棟の屋根に何が設置されているか、ご存知でしょうか?答えは風見鶏です(写真)。
この風見鶏は、東広島への移転時に学部長をされていた湯浅先生が寄贈されたものと聞いております。風見鶏は、本来風が吹いてくる方向を向くものなのですが、どうも文学部の風見鶏は常にある特定の方向、すなわち本部に背を向けたままで全く動いていないということに、この3月に気がつきました。ある職員に聞きますと、以前は台風の前などに屋根に登って取り外しをしていたということなので、私もそれに習って様子をみてきました。足が滑りそうで、結構怖かったのですが、なんとか講義棟の天辺にたどり着いて、取り外しを試みました(決して、真似をしないで下さい)。しかし、長年、風雨にさらされるままになっていたせいか、さびついて動かず、残念ですが叶いませんでした。新型コロナ騒動が収束して一段落したら、専門の業者に頼んで、取り外してきれいにしてもらおうと考えています。
さて、風見鶏と言うと、日本では日和見主義というイメージに結びついてしまうのですが、本場のヨーロッパでは、風に向かって雄々しく立つというのが本来的な意味であり、魔除けの意味も持ち合わせるとのことです。神戸の異人館の屋根に置かれているのもその故です。そして、360度どの方向にでも頭を向けることができるという柔軟性も持ち合わせています。私は、この4月より文学部長となりましたが、この風見鶏にあやかり、困難な局面にも雄々しく立って、かつ柔軟な部局運営を行いたいと心に決めています。魔除けまでできるかどうかは分かりませんが、皆様どうぞご支援・ご協力のほど、よろしくお願い申し上げます。
なお、文学部にはこの風見鶏に加えて、天使の形をした風見鶏もあって、交代で設置していたとのことです。
ただ、その所在については現在確認中です。皆さんに天使からの祝福もありますように!
文学部講義棟の屋根に立つ風見鶏
2.新任教員挨拶
文学部では、4月に2人の教員が着任いたしました。今号では、お二人の自己紹介をお届けいたします。
○欧米文学語学・言語学(英語学分野)重松恵梨助教
2020年4月に着任いたしました、重松恵梨と申します。育成助教という形でご縁をいただき、今年度より3年間お世話になる予定です。
私は、広島生まれの広島育ちで、大学も広島大学文学部を卒業しています。生粋の広島っ子です。その後は就職で各地を転々としていましたが、紆余曲折を経て、学部卒業時に心残りであった大学院進学を決め、母校である広島大学の大学院文学研究科で学問の道を進んできました。この度、教える側の人間としてまた広島大学の一員となれたこと、非常に嬉しく、同時にとても身の引き締まる思いです。「育成」助教という肩書きですので、立派な研究者になれるよう、この3年間しっかり教育・研究に励んでいく所存です。
私の研究分野は、英語文体論・物語論で、主に近現代英語小説における語りのスタイルと視点を研究しています。「語り」は世の中に溢れています。小説などの文学作品の中だけではありません。家族や友人と話をするとき、同僚や取引先と仕事をするとき、どんな形のやりとりであれ、そこには必ず「語り」の要素が含まれていると私は思います。なぜ人は語るのか、なぜそのように語るのか。自分とは全く異なる言語背景を持つ英語圏の作家の語りの手法を読み解くことで、語りの仕組みを解明できたらと考えています。 これまでの研究では、イギリス小説勃興期の作家ダニエル・デフォーの作品における意識描写に焦点を当て、語りのスタイルと視点の関係性を考察してきました。最近では、デフォーにもごく普通に当てはまる伝統的な「過去時制語り」の小説が、現代英語小説に見られるようになった「現在時制語り」にどのようにつながっていくのかを研究しています。
懐かしさと新鮮さを噛み締めながら、広島大学での教育と研究に貢献できればと思っています。今年度は、COVID-19の影響により、異例の新年度スタートとなりましたが、どうぞよろしくお願いいたします。
■重松恵梨助教のプロフィールはこちらをご覧ください。
○地表圏システム学(文化財学分野)中村泰朗助教
2020年4月に文化財学分野に着任しました中村泰朗と申します。学部から博士課程後期まで同分野に在籍していましたので、古巣に戻ってきたということになります。
私の専門は日本建築史であり、最近は中近世移行期の住宅系建築(御殿や天守など)について復元的な研究を進めています。同時期における住宅系建築の変遷については、新史料の発見や発掘調査の進展によって、従来の定説に対する大幅な見直しが必要とされています。しかし、この見直しを行うためには、その前段階として一つ一つの建物を正確に復元することが必要不可欠と言えます。私の研究では、文献史料・絵画史料・発掘調査の成果に加え、伝存する建築部材(例えば御殿の建具など)を入念に検討することで、同時期における住宅史上重要な建物の実証的な復元を行います。
また、研究成果の地域社会への還元は人文系研究者としての重要な責務と考えています。したがって、社会的なニーズに応じた調査・研究も積極的に行っていきます。近年の歴史観光ブームの影響によって各地の城郭・史跡の整備が進んでおり、天守や御殿といった城郭建築に関する復元研究の需要が高まっています。ただし、実際に建物を建てることは城跡の保全といった観点からも課題が極めて多いため、ここではVR・ARなどのデジタル技術を応用した復元に注目しています。また技術の進歩もあって、数年前と比較すると段違いに高精細なデジタル復元が可能となりました。技術の進歩に後れをとることがないよう、研究の精度を高めていきたいと考えています。
前任校が氷都とも呼ばれた青森県八戸市にありましたので、久々の広島は暖かくて過ごしやすく思っています。母校・広島大学の教育・研究に少しでも貢献する所存ですので、今後ともよろしくお願いいたします。
■中村泰朗助教のプロフィールはこちらをご覧ください。
3.文学部ニュース
○文学部から新入生の皆さんに向けて、応援メッセージ動画を公開しました。
こちらからご覧いただけます。
4.広報委員会より 【広報委員会委員長 末永高康】
この4月から広報委員長に任ぜられた末永と申します。文学研究科の広報・社会連携委員会が担当していたメルマガの編集作業を、大学院の再編にともない、「文学部」の広報委員会が引き継ぐことになりました。二年間よろしくお願いします。
新型コロナウイルスの流行で人々の活動が大きく制限されている最中(さなか)、メルマガでお伝えできるような特段のトピックもなく、年度初めの定番メニューのみとなりましたが、お楽しみいただけましたでしょうか。
五月晴れの気持ちのよい陽気だというのに、平日の昼時だというのに、キャンパスにはほとんど人影がありません。ただ鳥のさえずりのみが耳に入ってきます。いつまでこの状態が続くのでしょうか。
次号の発行までに事態が好転していることを祈るばかりです。
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オーナー:広島大学文学部長 友澤和夫
編集長:広報委員長 末永高康
発行:広報委員会
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