□□目次□□
1.文学部新学部長からのご挨拶
2.文学部新任教員からのご挨拶
・上田新也准教授(歴史学 東洋史学分野)
・藤原翔太准教授(歴史学 西洋史学分野)
3.文学部オリエンテーションキャンプレポート
4.編集後記(広報・社会連携委員会委員長より)
1.文学部新学部長からのご挨拶
4月に新しい文学部長が着任いたしました。新学部長からのメッセージをお届けいたします。
●地理学・考古学・文化財学(文化財学分野) 安嶋 紀昭 教授
広島大学文学部に赴任して最初に実感したのは、何よりも研究を愛する自由な雰囲気でした。平成11(1999)年のことです。気概に満ちた仲間たちの研究に対する理解と尊重、おおらかでのびのびとした気風、そうした美しき伝統は今も健在であり、今後も守り通していかなければならない文学部の神髄です。
お蔭様で私も、福山市・明王院の国宝三重塔初層内部荘厳画を皮切りに、じっくりと取り組まなければ埒が明かない文化財調査にのめり込むことができました。以来およそ四半世紀、多くの人材に出会いましたが、皆々各界で大いに活躍中です。気が付けば定年まで二年を残すのみとなりましたが、現在進めている園城寺五部心観の研究はいつ終わるとも知れません。
この4月4日、A204リテラ教室に会した新入生への挨拶では、この文学部こそが社会への諸君の出発点であり、あらゆる面で充実した日々を謳歌してほしいと心から願いました。この迸る気持ちをどう受け止めてくれたかはわかりませんが、それに応え得る場を作り上げるのは、文学部に籍を置く教職員の責務です。これまでの歴史を重んじつつも、新しい施策を学内外に次々と示す、「打って出る文学部」を目指していこうと思います。
退任時には、卒業生の皆さんに、そして教職員の諸先輩に、「あなた方の文学部は健在です。さらに、一層素敵になりました」と、胸を張って報告できるよう、微力を尽くす覚悟です。読者の方々も、どうぞお力をお貸し下さい。
□安嶋紀昭 教授のプロフィールはこちらをご覧ください。
2.文学部新任教員からのご挨拶
学部長に加え、新しく2人の教員が文学部に着任いたしました。新任教員の自己紹介をお届けいたします。
●歴史学(東洋史学分野) 上田新也 准教授
4月より東洋史学分野に着任いたしました上田新也と申します。早稲田大学法学部を卒業後、本学文学部に編入学し、本学大学院にて博士号を取得いたしました。母校で教育と研究に携わる機会をいただき、身の引き締まる思いでおります。どうぞよろしくお願いいたします。
私の専門は近世のベトナム史です。現在の近世ベトナム史研究は官撰史料を用いた研究から、野外調査等を駆使しつつ、それにより収集した石刻史料や村落文書を主史料とした研究へと、急速にシフトが進行しています。私自身、そのような「史料革命」に対応する中で比較的、官撰史料の豊富なベトナム北部の制度史研究から、豊富な村落文書が現存しているベトナム中部の社会史的な研究へとシフトしてきました。現在はベトナム中部の古都フエ周辺の村落で野外調査を通じて古文書を撮影しつつ、それらの分析を通じて近世ベトナムにおける村落共同体や親族集団の実態の解明を進めています。
また、日本の協同組合における技能実習生受け入れ業務や、ベトナムの大学における日本語教育に携わった経験もあり、決して学術的レベルというわけではありませんが、日本における外国人労働者の受け入れの在り方や、生活の実態といったものにも関心があります。
かつて広島大学で指導教官としてお世話になった八尾隆生先生が使用されていた研究室に自分が入ることには数奇の感を禁じえませんが、その後任として、後進の育成に力を注いでいく所存です。これからどうぞよろしくお願いいたします。
□上田新也 准教授のプロフィールはこちらをご覧ください。
●歴史学(西洋史学分野) 藤原翔太 准教授
この4月から西洋史学分野に着任した藤原翔太と申します。広島大学文学部に入学したのが2004年4月のことですから、それからちょうど20年の年月が流れたことになります。この度、こうして教員として広島大学に戻ってこられたことに喜びを感じる一方、後進の育成という重要な使命を背負うことになり、身が引き締まる思いです。
専門分野は近代フランス史、とりわけフランス革命・ナポレオン時代の地方統治に関する研究を進めています。ご存知の通り、フランス革命史研究は我が国でも相当な蓄積が重ねられてきましたが、従来、フランス革命史家が解明しようと努力を傾けてきたのは大きく二つの問題であったと言えます。すなわち、なぜフランス革命はおこったのか、というフランス革命の原因に関する問題と、フランス革命の世界史的意義としてのジャコバン独裁の評価に関わる問題です。当然ながら、こうした研究潮流の背景には社会主義革命への期待が存在していたわけですが、現在ではそうしたかつての幻想も消え去り、フランス革命史研究においても多様な角度から、新しい研究方法が採用されるようになりました。
そんななか、私が現在取り組んでいる研究課題は、フランス革命はどのようにして終わることができたのか、という問題です。この問題を解明するために、革命により成立した地方行政区画に設置された地方議会に注目し、革命期に外部勢力の圧力により政治的に過熱した地方議会が革命終期にかけてどのようにして非政治化を達成したのかを、憲法改正、地方行政改革、選挙制度改革、治安維持機構の再編などのさまざまな観点から明らかにしようとしています。
私がこれまで培ってきた教育・研究の成果を学生と共有し、共に議論を深め成長していくことで、西洋史学界、並びに広島大学の発展に貢献していきたいと思います。これからどうぞよろしくお願いいたします。
□藤原翔太 准教授のプロフィールはこちらをご覧ください。
3.文学部オリエンテーションキャンプレポート
〇文学部オリエンテーションキャンプ 総局長 安本 遥
長い階段を使って
魅力的なショットを撮る
文学部では毎年、新入生歓迎オリエンテーションキャンプ(通称「オリキャン」)を4月に行っております。新入生の学生生活についての不安解消や、新入生同士や上級生との交流を図ることで、新入生が良い大学生活のスタートを切れるようにすることを目的としています。
今年度の新入生歓迎オリエンテーションキャンプは、4月27日(土)に、東広島キャンパスで開催されました。午前中に東広島キャンパス内を巡るオリエンテーション企画、午後に1年生によるスタンツという劇やダンスなどの出し物発表会を行いました。
オリエンテーション企画では、班ごとにクイズやお題に沿った写真撮影などのミッションに挑戦し、その得点を競うという企画を行いました。クイズに班のメンバーと協力して取り組む姿や、和気あいあいと学内を巡っている様子が見られました。お題に沿った写真撮影では、各班工夫を凝らした写真を撮影しており、採点者である運営陣も非常に楽しませてもらいました。
HUモニュメントを使って
映え写真を撮る
ザ・ビートルズの有名なジャケット写真を
真似た写真を撮る
スタンツ発表会では、各班の1年生たちが事前に準備を行い、ダンスや劇、クイズなどの様々な発表を行いました。まだ大学生活に慣れていない新入生たちが3週間という短い時間の中で班のメンバーと協力して準備をしてくれたスタンツは、どの班も練習の成果が非常に発揮された素晴らしいものでした。
私自身、入学当初は非常に不安を感じておりましたが、オリキャンのおかげで現在も楽しい学生生活を送ることができているため、そのような機会を新入生にも与えてあげたいという思いで活動してまいりました。今年度のオリキャンも学生たちをはじめ、支援室の方々や先生方にたくさんのご支援をいただきました。誠にありがとうございました。新入生の学生生活が充実したものになることと、多くの学生たちにとって忘れられない思い出を与えてくれたオリキャンがこの先も受け継がれていくことを、運営陣一同切に願っております。
スタンツ発表会の様子
4.編集後記【広報・社会連携委員会委員長 上野 貴史】
2024年度初めての「リテラ友の会・メールマガジン」をお届けします。
この4月から広報・社会連携委員長に任ぜられた上野と申します。2年間の任期の間、どうぞよろしくお願い申し上げます。
文学部・人間社会科学研究科人文学プログラムには、素晴らしい研究業績を挙げられる先生方や学業や研究の成果が世に認められる学生さんが多々いらっしゃいます。そういった情報をこのメールマガジンや文学部・人文学プログラムのHPを通して社会に発信してゆけたらと考えております。この2年間何卒よろしくお願い致します。
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リテラ友の会・メールマガジン
オーナー:広島大学文学部長 安嶋紀昭
編集長:広報・社会連携委員会委員長 上野貴史
発行:広報・社会連携委員会
広島大学人文社会科学系支援室(文学)
電話 (082)424-6602
FAX (082)424-0315
電子メール bun-soumu@office.hiroshima-u.ac.jp
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