1年次の「教養ゼミ」(令和6年5月28日(火)16:20~17:50、文学部B204講義室)において、被爆体験講話を開催しました。
講師は、昨年度に引きつづき、約25年にわたって,被爆体験証言者の活動をされていらっしゃる梶本 淑子さん(93歳)と伝承者の青木 圭子さん(被爆体験伝承者養成事業1期生)です。
梶本さんは,満州事変の年にお生まれになり、14歳のときに爆心地から2.3キロ離れた動員先の飛行機部品工場で被爆されました。本講話では,戦前や原爆投下後の状況,梶本さんを探して入市被爆した家族の様子、そして戦後の状況、核廃絶への願いについて語っていただきました。
戦後79 年が経過し、私たちは、被爆者の方々から直接体験談を聞くことのできる最後の世代といわれています。学生たちもこの体験が貴重であることを深く認識し、梶本さんの声を胸にとどめました。
感想文の一部をご紹介します。
・勉強も音楽も自分の意見を表現することもできない生活を送り、ある日一瞬で死んでいったという中学生の思いを考えると無念でならない。また、梶本さんが戦後10年間、弟たちを育てることを心の支えとして生きてこられたということに感銘をうけた。
・本当に現実で起こったことなのだと、ひしひしと感じるとともに、梶本さんが生き延びてくださって、しかも私たちに被爆体験を語ってくださっているという現在があることに感謝したい。改めて原爆の脅威と核のない世界の重要性、人から直接経験談を聞くことの影響力を感じた。
・思い出したくない原爆の惨状を伝える活動をされていることに尊敬の念を感じる。「忘れられた歴史は繰り返される」ということがないよう若い世代が伝えていくことが大切だと思った。
文学部は約7割が県外出身者ですので、初めて、体験談を聞く学生も多くいました。大変貴重なお話を本当にありがとうございました。
被爆者体験講話の様子
被爆者体験を聞き入る学生
※文学部における被爆体験講話は、「地(知)の拠点整備事業(大学COC事業)」を契機に平成27(2015)年に始まり、事業終了後も、ひろしまの平和の継承・発信を目的に継続して実施しています。