代表者: 榎 優志(えのき まさし)
先進理工系科学研究科建築学プログラム
都市・建築計画学研究室 博士課程後期
E-mail: renovative1130*gmail.com, d221684*hiroshima-u.ac.jp
※*は@に変換してください。
広島大学創発的次世代研究者育成・支援プログラム(SPRING)では、次世代フェロー等が、自らの専門領域を超えて、社会の発展について議論できる場として「HU SPRING」を提供しています。その取組のひとつとして、スキルアップイベント(研究者としてのスキル形成に資するイベント(Ex.講演会やセミナーなど)を自主的に企画・運営することを支援)を実施しています。
2024年11月~2025年1月にかけて開催された標記イベントの開催報告を掲載いたします。
※本イベントはHU-SPRINGスキルアップイベントの支援を受けて開催されました。
私たち(リノベイティブ大工育成学校プロジェクト)は2024年11月~2025年1月にかけて、大崎下島・久比集落にて、計6日間のものづくりワークショップを開催しました。
私たちは、「これからの家づくりの担い手像とはどのようなものなのか」「その担い手をどのように育てられるのか」という2つの問いをたて、古民家の改修を通したこれからの家づくりの担い手育成のしくみを探求しています。また「ヒト・モノ・コトのクリエイトが生まれ続ける場所」をコンセプトに、プロも素人もごちゃまぜになってものづくりを楽しめる場、家づくりの担い手が育つ場づくりを目指して活動しています。
今回は、プロジェクトのスタートアップイベントとして、地域の古民家改修ワークショップを実施しました。6日間を通じて、小学2年生のお子さまを含む5人家族や、学生、社会人、メキシコ人大工さんなど、延べ22名の方に参加していただき、大変ご好評をいただきました。
明治時代の古民家の床を解体し、新たに張り替えました。また地域の古民家の土壁を壊し、竹小舞を編んで土壁を塗りなおしました。「『こわす』ことでかつての家のしくみ・技術を学び、新たに『つくる』ことで家づくりの技能を学ぶ」という、改修工事ならではの担い手育成のしくみについて検討しました。
久比集落ではかつて、「合力(こうろく)」と呼ばれ、地域住民の相互扶助によって家づくりを行う文化がありました。今回は、当時の様子を知る地域の方に聞き取りを行い、久比集落でのかつての家づくりがどのようなものであったのかをまとめました。プロと素人がどのように関わり合っていたのかを明らかにすることで、これからの家づくりの担い手像を考える大きな手掛かりが得られたと考えています。
久比集落では、住民がそれぞれの家で野菜を育ててシェアしあう「農床(のうとこ)」という文化があります。そこでつくられた野菜を使って、一緒に料理を作り食卓を囲むことで、地域の方々と交流を深め、久比集落のくらしについて学びました。
ワークショップでは、プロ・素人・老若男女がものづくりを通じてごちゃまぜになり、クリエイトを楽しむ光景がたくさん見られました。最終日には、改修した床の上で、若手大工さんたちのトークイベントを開催しました。ものづくりを通じて、新しいバが生まれるプロセスを経験しました。参加者の一人である小学2年生の女の子は「遊びの楽しさとは違う、建築の面白さを知った。」と言ってくれました。ものづくりの面白さを幅広い世代とシェアできたのは、大きな成果だと考えています。
今回の活動の様子が、建築の専門雑誌である、「住宅建築 2025年4月号No.510」(建築資料研究社)に掲載されました。
以上、本イベントを通して、以下4つの成果が得られたことを報告いたします。
今回のイベントをきっかけに、今後もプロジェクトを発展させていく予定です。興味を持たれた方は、メール、HPもしくはInstagramのDMまで、お気軽にお問い合わせください。お待ちしております!
代表者: 榎 優志(えのき まさし)
先進理工系科学研究科建築学プログラム
都市・建築計画学研究室 博士課程後期
E-mail: renovative1130*gmail.com, d221684*hiroshima-u.ac.jp
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掲載日 : 2025年05月13日
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