4/10入学式

 一年生のみなさん、広島大学附属小学校への入学、おめでとうございます。後ろにいる二年生から六年生のおにいさんやおねえさんたちも、横にいる先生たちも、みなさんが附小に来るのを待っていました。みなさんの入学を心からお祝いしています。まず、そうしたみんなの気持ちをお伝えします。
 さて、一年生のみなさんは、これからこの附属小学校で、いろいろなことを学びます。でも、これまでにも、みなさんは、幼稚園や保育園でたくさんのことを学んできましたね。年少さんのときから比べて、はるかにいろいろなことができるようになったのではないでしょうか。
 では、これまでの学びと小学校での学びは、どのように違うのでしょうか。
 大きな違いに、国語や算数などのいろいろな教科を、教科書を使って、一時間ごとに時間を決めて、学ぶということがあります。でも、特に、附属小学校では、三つの目標、「自主」「協同」「探究」という三つのことができるように、学びます。自主・協同・探究とは、一つ目に、自分から進んで、二つ目に、友達と協力しながら、三つ目に、より広くより深く学ぶ、ということです。みなさんできそうですか。難しいそうですか。
 動物はどうでしょう。動物は、自主・協同・探究ができると思いますか。上の学年の人たちも考えてみて下さい。
 鳥は、空を自由に飛んでいます。犬は、お散歩をするとき、飼い主に引っ張られて歩く犬もいますが、自分でぐいぐいと引っ張っていく犬もいます。こうした様子が「自主」の姿です。みなさんも自分から、自由に、ぐいぐい引っ張るように学んでください。
 二つ目の「協同」はどうでしょう。アフリカの草原の水場には、いろいろな動物が集まってきます。シマウマは仲間同士体を寄せ合い、敵から身を守りながら水を飲みます。ときには、ライオンに襲われて一斉に駆け出すこともありますが、再び諦めずに他の動物といっしょに水場で水を浴びたり、休んだりします。これが「協同」の姿です。みなさんも、ときには友達と言い合いのようになることがあるかもしれませんが、それでも諦めずに話し合いながら力を合わせて学んでください。
 動物が水場で協力するのは、水を飲むためです。そうして命を守り、つないでいます。では、みなさんが、附属小学校で協力するのは何のためでしょうか。みなさんにとっての「水」とは何でしょう。それは、学びです。学校における水は、学ぶことです。みなさんは、学校で様々なことを学ぶことで頭も心が成長し、文化や社会を受け継ぎ、やがて新しい時代を作っていくのです。
 では、三つ目に、動物は「探究」するでしょうか。犬は、散歩をしているとき、クンクンといろいろなものに興味を持ち、あちこち匂いをかいでいます。イルカやクジラは、広ぉい海の中で人間にも興味を持ち、近づいて来ることがあります。こうした様が「探究」の姿です。みなさんも、犬がクンクンするように、いろいろなものに興味を持ち、学びを深めてください。
 今お話しした三つの目標「自主・協同・探究」ということは、上の学年のみなさんも求めていることです。また先生たちも追い求めています。これからみんなで追求していきましょう。
 ここで、お母さんやお父さんにもお話ししますね。もう少しお行儀よくしていてください。
 保護者のみなさま、お子様を育てる中で、いろいろなご苦労や困難がおありだったと思いますが、今日の日をお迎えになられたこと、心からお祝い申し上げます。教職員一同、一丸となって、お子様の成長を支援していきたいと思います。保護者の皆様にも、研究開発校として、何かとご協力をお願いすることもございますが、どうかよろしくお願いいたします。


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