8/29朝会 読書の記憶

 おはようございます。しばらくぶりです。夏休みを元気に過ごせましたか。そして、今日を健康に迎えられましたか?
 さて、夏休みに入る前に、校長先生の夏休みの経験についてお話ししましたが、みなさんにとって、この夏休みはどんなものだったでしょうか?冒険したという人?大切な人と会ったという人?一生懸命に勉強したよっていう人?いっぱい読書をしたよっていう人?ありがとう。いい経験をしたようですね。
 ところで、そういう経験って、将来も覚えているのかな?せっかく経験したのに忘れちゃうんじゃないかと不安に思う人?今、先生は五十二歳だから、四十年後に覚えているかな?どんなことなら覚えているんでしょう?インターネットで調べたことはどうだろう。おじいちゃんやおばあちゃんに話してもらったことは?自分で体験したことは?
 では、本を読んだことはどうでしょう?
 私は、この夏、とても驚いたことがあります。読書のお話です。私は、子どものころ、ピノキオの話を繰り返し読みました。海に放り出されて、クジラに飲み込まれたら怖いような、でもその中を探検できたら、楽しいような、そんな両方の気持ちになって、好きでした。もちろんそういうピノキオの話のあらすじは覚えているんだけど、読んで、自分がどんな気持ちになったかということや、どの本で読んだのかは覚えていなかった。思い出そうとしたこともなかった。
 でも、この夏にテレビ番組で、今から五十年くらい前に出されたピノキオの絵本を紹介していたのを見たんです。そして、その絵を見たら、どんなことが起こったと思いますか?
 胸のこのへんがね、トキン、キューとしたんですよ。子どものときに感じていた、締め付けられるような怖さが、蘇ってきたんです。びっくりしました。多分絵が似ていたんだと思います。体が絵を覚えていたんだね。
 さて、今日の校長先生のお話は、一つは読書のお話です。子どものときに読むお話は、忘れないよ、ということ。心を動かされた読書は忘れない。みなさんの心に溜まっていきます。頭が忘れても体が覚えていてくれることもある。だから、心配しないで、いっぱい本を読みましょう。
 もう一つは、夏休みの経験のことです。それも忘れない。心に溜まっていって、みなさんの自分というものを形作ります。
 でも、そのときどきに、心が動くということが大事です。そう思って、これからの勉強や学校や家での生活をしていきましょう。心が動く経験をいっぱいしましょう。
 校長の今朝のお話は、以上です。


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