松本助教(第2期)(広島大学大学院医系科学研究科)がアメリカに研究渡航しました

松本助教が、2023年5月25日から2023年9月11日まで、アメリカ(ミシガン州立大学)に研究渡航しました。

研究交流レポート

2023年5月25日から2023年9月11日まで、共同研究先であるアメリカのミシガン州立大学へ渡航しました。ミシガン州立大学はアメリカ中西部にあるミシガン州イーストランシング市にある総合州立大学です。もともと縁もゆかりも無かった大学でしたが、とある論文を機に関わりを持つようになりました。その論文とは、枯草菌を細胞内に共生させ、物質導入を行い、マクロファージ細胞の機能を制御するという内容もので、自身が実際に行なっていた研究内容と酷似していました。その論文の出版後、責任著者であるChristopher Contag教授 (右写真の左側) に連絡をとり、今回の渡航に至りました。最初は同じ研究テーマを実施しているという点で一緒にできるのか、競合することになるのか不安もありましたが、Contag教授は快く私を受け入れてくれました。

Christopher Contag教授と

The Institute for Quantitative Health Science & Engineering (IQ)

Contag研究室のあるThe Institute for Quantitative Health Science & Engineering (IQ) は6年ほど前にできた比較的新しい研究所であり、一面ガラス張りのとても綺麗な建物 (左写真)でした。研究所内は各フロアで分野の近い異なる研究室が入り乱れており、デスクも隣の席の人は別の研究室の方だったりと今の所属先と比べると非常にオープンな環境でした。学部が異なる先生方がIQ内に揃っているため、異なる分野の専門家が一同に介しており、研究所内での共同研究も多く見られました。
実際の研究生活では、これまでにお互いが進めてきた研究内容について情報を共有し、協力して進めるテーマとお互いが独立して行う研究テーマを明確にしました。人工細胞内共生 (Engineered Endosymbiont; EES) を実現するためには、まだ多くの課題を抱えていますが、世界中でもEESに関する研究を行なっている研究者はContag研究室と私のみであるため、これから大きなチームを作って新しい分野を開拓できるように努力したいと改めて思いました。

今回の渡航を通じ、EESから効率よくタンパク質を輸送するためのシグナルペプチドの最適化やリンカーの検討等を実施しました。その中で、とても優秀なph.Dコースの学生さんであるSatyajit (右写真右側) に会えたことは自分の中でとても幸運でした。獣医学部にいながら全く異なるバックグラウンドのEES研究を遂行し、多くのアイデアを生み出す彼と過ごす時間はとても楽しかったと共に、自身ももっと勉強しなくてはと刺激をもらった出会いでした。今後も彼と一緒に仕事ができることをとても嬉しく思います。広島大学にもこのような学生さんがどこかにいるはずなので、早い段階でその才能を見つけ、仲間になってもらえるように自身の講義の質も上げていきたいと思いました。

Satyajitさんと

Contag研究室のメンバーと

最後に自分を暖かく受け入れてくれたContag教授、研究室生活をサポートしてくれたContag研究室のメンバー (左写真) 、そして金銭的な支援をしてくださったHIRAKU-Globalプログラムに御礼申し上げます。今後は、この機会を活かして国際共同研究をさらに発展させ、新たな分野の開拓につなげていきたいと考えています。

 

(広島大学 大学院医系科学研究科 助教 松本 大亮)


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