【2024/12/16】フォーラム『若手研究者の育成に資する評価は、どうあるべきか考える』を開催しました

吉武博通先生による基調講演

2024年12月16日、若手・女性研究者の支援及び育成プログラムを実施してきたHIRAKU-Global他主催者が、「評価」が本来持つ力とも言える、フィードバックと改善、すなわち、彼らの育成に資する「若手研究者の評価」についてのフォーラムをハイブリッドで開催しました。

「評価」は、何らかの目的があって行われますが、本来、進捗確認やフィードバックから改善へと繋げる建設的な役割をもっています。研究活動の過程で何度も「評価」を受ける若手研究者の率直な意見を交え、『「若手研究者の育成」に資する「評価」とはどうあるべきか』をテーマに、フォーラムを開催しました。ハイブリッド開催だったため、中国・四国地方だけでなく、全国から多くのオンライン参加があり、現地参加者37名に加え、オンライン参加者85名の合計122名が参加しました。

はじめに、東京家政学院理事長で筑波大学名誉教授の吉武博通先生による「若手研究者の活躍と成長を促す場づくりを目指して」と題した基調講演がありました。吉武先生は、組織改革・大学経営に深い知見をお持ちで、伸び伸びと研究に打ち込むことができる「場」づくりの一環として「評価」があること、「可視化」を進めつつ「対話」を重視することが重要であること、を強調されました。続いて『さまざまな視点からの「評価」についての報告』をテーマに、3つの講演がありました。まず、若手女性研究者対象の多角的な支援についての事例紹介、次に、海外における女性研究者支援の優良事例の調査分析について、そして最後に、HIRAKU-Globalプログラムでの評価として実施している若手研究者の「Performance Review」についての報告がありました。

休憩後、『若手研究者から見た「評価」』をテーマに、2つの講演がありました。広島大学の金田一清香准教授からは、若手研究者として、自身の役割が評価「される側」と、評価「する側」に移行した経験をふまえて、両視点からの報告がありました。愛媛大学の酒井大史助教からは、「評価」の「評価」、いわゆるメタ評価も必要であると、現在、所属大学やプログラムから評価を受けている視点から、率直な意見がありました。最後の『全体討論』では、「評価」の在り方に関わる複数の視点からの講演をもとに、参加者からも意見や質問を募り、活発な討論が行われ、本フォーラムを終えました。

参加者アンケートには、 評価の比較と議論の重要性や、本音の共有と理解の深化、一律な評価のリスク、データの可視化と対話の重要性等学んだ有意義なフォーラムだったという声とともに、「評価」をテーマにした議論の継続的な開催を期待する声も寄せられました。

「趣旨説明」(石田先生)

「島根大学の取組から見えてきた若手・女性研究者評価の課題」 (河野先生)

「HIRAKU-Globalにおける若手研究者の“performance review”システム」 (相田先生)

「全体討論の一コマ」(酒井先生と金田一先生)

プログラム


13:00 開会挨拶 宮﨑 誠一 広島大学 理事・副学長(研究担当)
13:05 趣旨説明 石田 洋子 広島大学 副学長(ダイバーシティ担当)
13:15 基調講演 「若手研究者の活躍と成長を促す場づくりを目指して」
        吉武 博通 学校法人東京家政学院理事長/筑波大学 名誉教授
13:50 さまざまな視点からの「評価」についての報告
    1)「島根大学の取組から見えてきた若手・女性研究者評価の課題」
     河野 美江 島根大学 副学長(SDGs・ダイバーシティ担当)
    2)「米国、スウェーデン、韓国、ドイツでの収集データから女性研究者の育成に資する評価について
     考察する」
     石田 洋子 広島大学 副学長(ダイバーシティ担当)
    3)「HIRAKU-Globalにおける若手研究者の“performance review”システム」
     相田 美砂子 愛媛大学 監事/広島大学 特命教授
14:35  休憩
14:45  若手研究者から見た「評価」
     1)  「若者が希望を持てる評価とは?」
      金田一 清香 広島大学大学院先進理工系科学研究科 准教授
     2)   「若手研究者から見た「評価」」
      酒井 大史 愛媛大学プロテオサイエンスセンター 助教
15:15  全体討論
15:45  討論のまとめ 山村 康子 科学技術振興機構(JST) プログラム主管
15:55  閉会挨拶   石田 洋子 広島大学 副学長(ダイバーシティ担当)

 


(当日の講演資料について)

■文部科学省科学技術人材育成費補助事業ダイバーシティ研究環境実現イニシアティブ(調査分析)
 広島大学・島根大学共同事業令和5年度~6年度「地方大学における理工系女性研究者が働きやすく働きがいのある研究環境づくりのための調査分析」の以下のWEBページの最後の項目『Progress Reporting 調査分析の進捗』に、当日の講演資料がまとめて掲載されています。
  https://d-and-i.hiroshima-u.ac.jp/research-and-analysis/


 

【お問合せ先】

広島大学 学術・社会連携室
HIRAKU-Global事務局
E-mail: hiraku-global*office.hiroshima-u.ac.jp  (* は半角の@に置き換えてください)
Tel: 082-424-7408


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