工学研究科大学院生の平成30年7月豪雨被災地(水害)の特性分析を行った論文が論文奨励賞受賞

 田村将太さん(大学院工学研究科 博士課程後期3年)は、都市計画的視点から水害の特性分析を行った「三原市本郷都市計画区域における平成30年7月豪雨の浸水エリアの特徴ー浸水想定区域および宅地開発の変遷との関連に着目してー」において、地域安全学会の論文奨励賞を受賞しました。
 

賞状を手にする田村さん(右)と指導教員の田中教授(左)

 この論文の目的は、平成30年7月豪雨の浸水エリア(三原市)を対象に、「(1)ハザードマップ(浸水想定区域)により、事前にどの程度、危険性を予測できていたのか?」、そして「(2)浸水危険性の高いエリアでの宅地開発は、いずれの時期に行われたのか?」を明らかにすることです。
 その結果、浸水エリアの約85%が、災害前より浸水想定区域に指定されており、事前に一定程度浸水が予測されていたことが明らかとなりました。また、高度経済成長期以降の宅地開発が浸水被害増大の要因の1つであり、特に、近年の宅地開発が浸水危険性の高いエリアで行われていることも明らかとなりました。
 これらの成果をまとめた本論文が新規性、有用性、完成度等の観点より、高く評価され、地域安全学会論文奨励賞に選定されました。

地域安全学会のサイト

田村将太さん 受賞のコメント

 この度は栄誉ある地域安全学会論文奨励賞を賜り、大変光栄に存じます。ご指導いただきました田中貴宏教授をはじめ、ご協力いただきました皆様に深く御礼申し上げます。
 本研究で対象とした平成30年7月豪雨の災害は、私が経験した初めての自然災害でした。災害直後は横転した自動車や土砂により全壊した家屋、運び込まれた大量の災害ごみなど、信じられないような光景が広がっており、改めて自然災害の恐ろしさを感じました。そのような光景を見て、私の専門分野である都市計画の視点から、「災害に強いまちづくり」の必要性を強く感じ、本研究を実施するに至りました。今回の受賞を励みに、今後もより一層、災害に強いまちづくり実現のための研究活動に注力していきたいと考えております。

 

お問い合わせ先

広島大学 大学院先進理工系科学研究科
教授 田中 貴宏
E-mail: ttanaka*hiroshima-u.ac.jp
(注:*は半角@に置き換えてください)


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