令和3年度地盤工学会中国支部技術賞の受賞について

本学防災・減災研究センターの内田龍彦准教授、橋本涼太准教授、土田孝特任教授の3名が「豪雨時土砂災害避難体験VRの開発と防災教育への適用」と題して2022年3月31日に受賞した本技術は、2018年の西日本豪雨の体験者からの聞き取り調査をもとに、豪雨時に自宅において避難の判断が遅れ、土石流に襲われた状況を体験するVRソフトを開発したものである。本VRを用いた防災教育を2019年9月から2020年3月までの間に東広島市の中学校・高校、地域の自治会、自主防災組織を対象として実施し、参加者3,225人のアンケート調査において回答者の88%から「早期避難の意識が高まった」との回答を得た。

受賞理由として、近年、さまざまな災害についてVRを用いて疑似体験するソフトが開発されているが土砂災害を対象にしたVRは少ない。本技術は、体験者が豪雨時に自宅にいて非難の判断が遅れ土石流に襲われる状況を体験することを通じて、早期避難の重要性を認識させる内容がこれまでに例がなく新規性がある。また、本ソフトを活用した防災教育を実施しアンケートにより効果の検証を行っている。さらに、本技術をもとに広島県がWeb普及版の土砂災害VRを開発するなど波及効果が表れているが挙げられ、優れた技術と認められたため技術賞を授与された。

 

 

 

お問い合わせ先

広島大学防災・減災研究センター 特任教授 土田孝
E-mail: ttuchida*hiroshima-u.ac.jp
(注:*は半角@に置き換えてください)


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