研究科長挨拶

世界をリードする生命科学の教育研究拠点

大学院統合生命科学研究科長 嶋田 一夫

広島大学は、生命科学分野の教育・研究の一層の充実を図るため2019年4月に統合生命科学研究科を発足させました。現在、教授、准教授、講師、助教、客員教員の合計約180名の教員を有しています。本研究科は理学、工学、農学、医学といった従来の学問分野を基礎としつつ、現在の生命科学を理解するのにふさわしい生物工学、食品生命科学、生物資源科学、生命環境総合科学、基礎生物学、数理生命科学、生命医科学の7つの学位プログラムからなります。

このように生命科学を理解するために、多様な学問領域が存在し、加えてそれぞれの学問領域の深化も進んでいます。大航海時代にキャプテン・クックが同伴させた学者が新種の生物であるかを判断する博物学者であったことからわかるように、当時の生物学は個体を基にした分類学でありました。その後、DNAをベースにして生命を理解しようとする分子生物学、そして生命現象を司るタンパク質などの生体分子の立体構造の視点から理解しようとする構造生物学と、個体レベルから原子レベルの理解と生命科学は発展してきました。

したがって、生命科学の教育・研究には、これら多様かつ膨大な量の知識の獲得および複雑化された知識の体系化およびその活用が必要になります。これらを踏まえ、統合生命科学研究科では現在の生命科学の現状に適した世界トップレベルの教育・研究体制を構築し、次世代の社会に貢献できる人材を輩出することを目指しています。


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