《本件に関するお問合せ先》
国立国際医療研究センター研究所 難治性疾患研究部
責任著者役職名 石坂幸人
TEL: 03-3202-7181
E-mail: zakay*ri.ncgm.go.jp (注:*は半角@に置き換えてください)
《取材に関するお問合せ先》
国立国際医療研究センター 広報企画室
担当: 三山 剛史
TEL: 03-5273-5258<9:00~17:00>
E-mail: press*hosp.ncgm.go.jp (注:*は半角@に置き換えてください)
国立国際医療研究センター(NCGM)難治性疾患研究部 石坂 幸人 部長と広島大学大学院統合生命科学研究科 山本 卓 教授らとの共同研究成果として、組み換え蛋白質で免疫チェックポイント分子の発現を一過的に抑制できるシステム(ゲノムモジュレーターシステム)を開発し、今回、PD-1を標的分子とするゲノムモジュレーターをナチュラルキラー細胞に作用することで、抗腫瘍効果が顕著に増強できることを証明しました。
免疫チェックポイント分子に対する抗体を用いたがん免疫療法が注目されていますが、抗体の全身投与による副作用や、有効例が20%前後であることなど、さらなる改良が必要です。NCGMは、2018年、既存の分子よりも機能性に優れたペプチドベクター(NTP)を発明し、これを広島大学が開発したゲノム認識分子と組み合わせることで、組み換え蛋白質による「人工転写制御システム」を開発しました。今回、遺伝子発現を一過的に抑制できるシステム(ゲノムモジュレーター)を開発し、がん免疫療法に応用しました。
ヒトナチュラルキラー細胞にPD-1標的ゲノムモジュレーターを5日間作用した後、ヒト卵巣がん細胞株を移植した免疫不全マウスに投与したところ、腫瘍の増殖が有意に抑制されました(図1)。
がんの増殖制御には、異なる様々な免疫チェックポイント分子が関与しています。ゲノムモジュレーターは、ゲノム認識分子を変えることで、様々な免疫チェックポイント分子に応用可能であり、汎用性の高いシステムとしてがん医療に貢献できるものと期待されます。
図1
今回開発したゲノムモジュレーターシステムは、様々な遺伝子に応用するこが可能で、がん免疫療法だけで無く、例えば、再生医療など、様々な分野での有用性を明らかにして行きたいと考えています。
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掲載日 : 2020年01月21日
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