• ホームHome
  • 大学院統合生命科学研究科
  • 【研究成果】翻訳制御因子5MPで神経細胞死を引き起こす毒性産物の抑制に成功!~老化に伴う多様な神経疾患のメカニズム解明へ一歩~

【研究成果】翻訳制御因子5MPで神経細胞死を引き起こす毒性産物の抑制に成功!~老化に伴う多様な神経疾患のメカニズム解明へ一歩~

本研究成果のポイント

  • 老化に伴うある種の神経性疾患は特定のDNA領域における異常なタンパク質合成によって起こる。
  • 翻訳制御因子5MPを使えばそのような異常タンパク質(毒性繰り返しペプチド)の合成を妨げ、その結果生ずる表現型を軽減することができる。

概要

広島大学大学院統合生命科学研究科翻訳制御学研究室の浅野桂特任教授(広島大学健康長寿研究拠点、カンザス州立大学生物学科教授兼任)らのグループは、5MPという翻訳制御タンパク質が、老化に伴うある種の神経性疾患の原因となる現象を抑制する働きがあることを明らかにしました。5MPは、3または6塩基対の繰り返し配列で起こる不正確な翻訳開始を妨げ、毒性のある繰り返しタンパクの産生を妨げます。老化によって起こる神経疾患の更なる解明に貢献するものと考えます。
本研究の成果は、Cell Reports オンライン版に、7月13日付で掲載されました。

論文情報

  • 掲載誌: Cell Reports
  • 論文タイトル: Human oncoprotein 5MP1 suppresses general and repeat-associated non-AUG translation via eIF3 by a common mechanism.
  • 著者名: Chingakham Ranjit Singh, Marry Rebecca Glineburg, Chelsea Moore, Naoki Tani, Rahul Jaiswal, Ye Zou, Eric Aube, Sarah Gillaspie, Mackenzie Thornton, Ariana Cecil, Madelyn Hilgers, Azuma Takasu, Izumi Asano, Masayo Asano, Carlos R. Escalante, Akira Nakamura, Peter Todd, and Katsura Asano
  • DOI: https://www.cell.com/cell-reports/fulltext/S2211-1247(21)00774-9
【お問い合わせ先】

大学院統合生命科学研究科 翻訳制御学研究室
広島大学健康長寿研究拠点
特任教授 浅野 桂
(カンザス州立大学生物学科 教授)
Tel:082-424-5529 
E-mail:kasano*hiroshima-u.ac.jp; kasano*@ksu.edu
(注: *は半角@に置き換えてください)


up