修了生VOICE

広大修了生に、現在の業務内容、博士学生時代の研究内容について聞きましたグローバルな総合知で ひらく、持続可能な未来

中国古典研究で培った専門性を教育の現場へ。

修了生VOICE 吉岡佑馬

吉岡佑馬
▶︎人間社会科学研究科 2024年度修了
▶︎都城工業高等専門学校 助教

現在は、宮崎県都城市の高等専門学校で、国語・文章表現・中国語などの授業を担当しています。また、2年生のクラス担任も務めています。博士課程では、中国古典の注釈書を主な研究対象としてきました。特に、注釈者が「なぜそのように古典を解釈したのか?」という点に着目し、当時の思想的背景や社会状況との関係を踏まえながら考察を行ってきました。現在も教育活動と並行しながら研究を継続しており、博士課程時代に培われた論文作成能力や研究者としての基礎力は、現在の教育・研究活動の両面においても大きな支えとなっています。

広く聴き、深く向き合う。対話力こそ、わが財産。

修了生VOICE 毛 月

毛 月(中国出身)
▶︎人間社会科学研究科 2023年度修了
▶︎広島大学 特任学術研究員(特命助教)

博士課程時代に取り組んでいたのは、子どもに「死の教育」を行うことで、命を大切にする心を育む学習プログラムの開発です。研究は「構築→問題発見→再構築」を繰り返す営みであり、問題に向き合い続ける胆力と改善力を培うことができました。中国に「偏聴則暗、兼聴則明(偏って聞けば見誤り、広く聞けば明らかになる)」という言葉がありますが、自分の専門領域を越えて、関連分野の研究者らと継続的に対話することの重要性を体感しました。こうした力は、博士課程に限らず、現在の業務においても協働や合意形成の基盤として大いに活きています。

データ駆動型環境で生きる博士課程時代の学び

修了生VOICE Tettey Afi Pamela

Tettey Afi Pamela(ガーナ出身)
▶︎統合生命科学研究科 2024年度修了
▶︎マイクロンメモリ ジャパン株式会社 エンジニア

博士課程では、ユスリカ属の幼虫の研究を行っていました。複雑な実験設計やトラブルシューティングを通じて、問題解決能力と論理的思考力を培いました。特に大規模データセットを用いた高度なデータ解析を経験し、予期せぬ結果から根本原因を特定する手法を学びました。また、定期的な報告やプレゼンテーションを重ねることで、細部への注意力、品質志向、そして明確なコミュニケーション能力を強化しました。これらのスキルは、マイクロンメモリ ジャパンのデータ駆動型×精密志向×協働的な職場環境に必要不可欠で助かっています。

社会人博士課程で磨いた専門性を商品開発に活かす。

修了生VOICE 壺井雄一

壺井雄一
▶︎統合生命科学研究科 2021年度修了
▶︎花王株式会社 特定テーマリーダー

ハウスホールド研究所で、衣料用洗剤の開発に携わるとともに、研究開発DXの推進を担当しています。社会人博士課程時代は、サステナブルな社会に貢献する微生物の研究(ゲノム編集技術)に取り組んでいました。社会人経験を経た後で改めて学ぶと、自身に必要な能力が明確で、データ解析に必要なPythonやRを学べる講義を積極的に受講しました。広島大学という最先端の知の場で培った専門知識やデータサイエンス、論理的思考力や課題発見力・解決力は、現在の基盤研究やDX推進、生活者視点の商品開発に大きく活かされています。

大規模データ分析を社内の意思決定につなげる力。

修了生VOICE Nawras Nazar Khudhur

Nawras Nazar Khudhur(イラク領クルディスタン出身)
▶︎先進理工系科学研究科 2024年度修了
▶︎マツダ株式会社 データサイエンティスト

現在は、大規模な業務データや生産データを分析し、社内の意思決定に役立てる業務を担当しています。博士課程で得た論理的思考力やエビデンスに基づいて分かりやすく説明する力は、現在の仕事に大いに活かされています。学位論文や学術論文の執筆を通じて、結果だけでなく前提や制約を整理して伝える方法を学びました。特に「この結果が意味すること/しないこと」を明確に説明する姿勢は重要だと感じています。また、研究発表や質疑応答の経験は、部門横断的な議論においてより効果的にコミュニケーションを行う助けとなっています。

強誘電体研究で培った力を次世代エネルギーへ。 

修了生VOICE 中平夕貴

中平夕貴
▶︎理学研究科(現先進理工系科学研究科) 2020年度修了
▶︎広島大学先進理工系科学研究科 助教

博士課程時代は、セラミックコンデンサや強誘電体メモリなどに利用される強誘電体材料に関する研究を行っていました。それらの研究を通して習得したのは、論理的思考力やデータ解析能力、コミュニケーション力。現在は大学で水素社会の実現に向けた基礎研究として、新規水素化物の探索研究を行っています。研究対象は大きく変わりましたが、博士課程時代に学んだ結晶構造に関する知識や結晶構造解析の技術が現在の自身の研究の土台となっています。また、学会発表を通して学んだプレゼンテーション力も非常に役立っていると感じています。

多分野横断の経験が、研究を体系的に捉える力に。

修了生VOICE 野口(寺井)はるひ

野口(寺井)はるひ
▶︎医歯薬保健学研究科(現医系科学研究科) 2021年度修了
▶︎製薬会社 研究員

博士課程時代は、てんかんや片頭痛に対する新しい薬剤をハイスループットにスクリーニングするための試験系構築に関する研究に取り組んでいました。私が行っていた実験は、脳波記録用電極の作製から、電気生理記録および解析、分子生物学的な解析まで、幅広い分野の知識・技術が必要でした。現在は製薬会社で新規製剤開発のための基礎研究を行っています。実験技術はもちろん、他者に伝わりやすいスライド作成や発表方法、プログラミング能力、英語力など、博士課程で培ったスキルは、現在の業務においても大いに役立っています。

大学院時代に養ったプレゼンテーション能力を糧に。

修了生VOICE 佐々木由布

佐々木由布
▶︎医歯薬保健学研究科(現医系科学研究科) 2023年度修了
▶︎国土交通省中国地方整備局 河川部地域河川課 計画係長

博士課程時代は、臓器移植を受けた患者の免疫抑制剤投与量変化に関する研究を行っていました。現在は、国土交通省の地方分局で、管区内にある各県の補助金・交付金の申請、自然災害発生時の防災業務等を行っています。今の業務は、事業で予算を必要とする理由を説明する機会が多くあります。事業内容は研究分野と異なりますが、相手に言葉で説明して伝えて納得を得る必要がある点は同じです。大学院の色々な場面で発表する必要があったことは、プレゼンテーションの能力を高めてくれたという意味で、大いに役に立っていると考えています。


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