広大博士学生に、研究内容と修了後の進路・キャリアについて聞きましたイノベーションを推進する博士人材の育成
※在学生の所属及び学年は、取材当時(2026年2月)のものです。
教師教育の発展をめざし、教員の労働環境を考究。
金城美紀
▶︎人間社会科学研究科 ▶︎博士課程後期1年
教員が学習指導と生徒指導を行い、児童・生徒の全人格的な完成を目指す「日本型学校教育」が国際的に大きな評価を受ける一方、学校や教員の役割が拡大し、教員の長時間労働問題が顕在化しています。教員の労働条件は、子どもの学習環境の質を向上させ、子どもの教育を受ける権利を保障する上で重要な論点です。以上のことから、学校教育の最も基本的な教育条件である教職員について、学級編制および教職員定数算定における国―地方の役割分担等に着目し、わが国における教職員配置に関する政策の在り方を展望するための研究を行っています。
宇宙起源にアクセスして新しい価値創造を。
栗田峻輔
▶︎先進理工系科学研究科 ▶︎博士課程後期1年
スイスとフランスの国境を跨ぐ位置にあるCERNで実験を行っています。光速近くまで加速した粒子を衝突させることで、人工的にビッグバン直後の高温状態を作り出し、その性質を研究しています。この研究は、私たちの周りにある物質がどのようにできて今のようになったかという根源的な問いに答えるものです。人の手で宇宙開闢(うちゅうかいびゃく)の状態にアクセスできる魅力を感じています。修了後は、民間企業の研究開発職に進むことを考えています。博士課程では専門性や課題設定力・分析力を身に付け、新しい価値を生み出す研究に携わりたいです。
持続可能な農業技術の開発に貢献したい。
李 佳程(中国出身)
▶︎統合生命科学研究科 ▶︎博士課程後期3年
イネの生理学的・分子生物学的側面から、低カリウム耐性獲得のメカニズムの解明を進めています。この研究成果は、持続可能な農業技術の開発に大きく貢献し得るものです。これまでに査読付き学術論文3報を発表するなど、研究者としての実績を積んできました。修了後は、研究開発エンジニアとして日本の企業に入社予定です。博士課程では最先端の専門知識と高度な課題解決能力を身に付け、企業のR&D部門で応用し、技術革新や新製品開発を牽引したいと考えています。アカデミアでの知見を社会実装し、産業界の発展に貢献することが目標です。
科学技術やイノベーションの推進に寄与したい。
藤原千穂
▶︎医系科学研究科 ▶︎博士課程1年
私は、ゲノムDNAにおける遺伝子変異の生成メカニズムに関心を持ち、研究を進めています。ヒトには遺伝子変異を防ぐための高度な防御機構が複数備わっていますが、時にそれをすり抜けて変異が生じ、疾患の原因となります。特にがんをはじめとする多くの疾患は、変異の蓄積が病態形成に深く関与しており、その形成メカニズムの解明は、新たな治療法や予防戦略の開発に直結すると考えられます。博士号取得後は、多様な解析ツールを活用しながら最先端技術を習得し、研究の最前線で新しい事実の発見や革新的な手法の開発に取り組みたいです。

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