学位規則及び広島大学学位規則により、博士の学位を授与された者は、学位論文(以下、博士論文)を学位取得後1年以内に、広島大学学術情報リポジトリ(以下、HiR)によりインターネット公表することとなっています。
ただし、博士論文全文を公表できない「やむを得ない事由」がある場合には、本学の承認を受けて、博士論文全文にかえて、博士論文の要約を公表することが可能です。この場合においても、やむを得ない事由が解消された場合には博士論文全文をHiRにより公表する必要があります。
また、全ての博士論文は国立国会図書館に収集されるほか、公表できない博士論文であっても本学と国立国会図書館においては閲覧等の利用に供されます。
提出先・提出方法
- 提出先:所属研究科の支援室
- 提出方法:所属研究科が指定する方法
- 提出期限:所属研究科が指定する期限
提出物
- 博士論文の提出及び公表に係る確認書(申請書)(以下、「確認書」)
- 博士論文全文の電子データ
※「やむを得ない事由」がある場合でも、必ず提出してください。 - 博士論文の要旨の電子データ(以下、「内容の要旨」)
- 博士論文の要約の電子データ(以下、「全文の要約」)
※「やむを得ない事由」がある場合のみ提出 - その他、研究科が定める書類
※研究科で指定がある場合のみ提出
電子データの形式
提出する電子データは、PDF形式としてください。また、長期的な保存のために、以下を満たすものとするようお願いします。
- フォントを埋め込むこと
- 暗号化・パスワードの設定・印刷制限などを行わないこと
- PDF/A(ISO 19005)に準拠すること
なお、Microsoft Office製品では、PDFとして保存する際のオプションでPDF/A形式に準拠させることが可能です。
やむを得ない事由
「やむを得ない事由」として認められる主な理由は「確認書」に記載しています。その他の事由がある場合は所属の研究科支援室までご相談ください。
なお、以下の項目については確認の漏れが多発しているため、特に入念に確認してください。
1. 著作権や契約に関する確認
- 博士論文の内容を既に学術誌などで発表済みの場合、その発表に関係する文書(投稿規定や著作権譲渡同意書等)をよくご確認ください。契約等の内容によっては公表できないことがあります。
- 著作権の譲渡が行われている場合「投稿、出版された論文の博士論文への利用」「投稿、出版された論文を利用した博士論文の機関リポジトリへの登録」が可能かご確認ください(出版社のwebページや著作権譲渡同意書に記載されている場合があります。不明な場合は編集担当者へお問い合わせください)。
また、必要に応じて博士論文への利用や博士論文の公表について出版社等の著作権者から許諾を得てください。
- 出版社などが論文を無料でweb公開していても、その論文が機関リポジトリで公表可能とは限りません。契約や権利等をよくご確認ください。
2. プライバシーや守秘義務の確認
- 共同研究の内容等が含まれる場合には守秘義務が課されていることがありますのでご確認ください。
- アンケートや臨床研究等の結果が含まれる場合、アンケート等対象者の個人情報が保護されているか、または公表について対象者から同意が得られているかをご確認ください。
3. 今後の投稿・出版・特許出願への影響
- 博士論文を公表すると既発表の論文等とみなされ、博士論文と同一の論文の投稿・出版等が不可能になる場合があります。投稿予定先の規定等を確認の上、適切な対応をしてください。
- 特許出願は学位申請前に行うことが原則です(公聴会等の後の特許出願は制約が伴う、又は認められない事があります)。予め関係部署と協議の上、博士論文を公表しないことでご自身の不利益が回避できると判断される場合のみ「やむを得ない事由」としてください。
やむを得ない事由が解消した場合
「やむを得ない事由」に該当し、確認書において「公開予定日は定まらない」とした場合、事由が解消されたら、速やかに研究科へ確認書を再提出してください。
よくある質問
提出物の形式・内容について
Q1.「博士論文として提出するもの」と「HiRで公表するもの」は同一である必要がありますか?
はい。同一である必要があります。
教授会で「学位を授与する」と認めた論文をそのまま公表します。改変はできません。
Q2.既発表論文の出版社版を博士論文として提出した場合、著者最終稿を全文としてHiRで公表してもよいでしょうか?
いいえ、できません。
Q1のとおり、提出した博士論文と公表する論文は同一でなければならないため、版が異なるものは認められません。
出版社版の機関リポジトリ公開が出版社から認められていない場合は、全文に代えて「全文の要約」を提出してください。
Q3.博士論文全文のPDFファイルは具体的にどのタイミングで提出すればよいでしょうか?
提出のタイミングは研究科によって異なりますので、研究科の支援室に確認してください。原則として、学位授与までに全文PDFを大学へ提出いただけるよう、ご協力をお願いします。
Q4.学会等ではPDFにコピーや印刷制限があることがあります。HiRでは再利用可能な形で公表されますか?
はい。
平成25年度(2013年度)以降に学位を授与された博士論文に関しては、再利用可能な形で公表されます。
Q5.「内容の要旨」と「全文の要約」はどう違いますか?それぞれどのような体裁が望ましいですか?
- 内容の要旨:審査に利用するもので、各研究科で定めた形式に則していただいて構いません。
- 全文の要約:「やむを得ない事由」があり、全文公表ができない場合に代替で公表するものです。想定されるのは、章立てを有した状態で全体をコンパクトに表現したものです。全体の内容・流れが分かるような形が理想ですが、広島大学としてどうしてもこの形でなければならないとは考えていません。そもそも博士論文の構成も分野によって異なるため、研究科でそれぞれ判断して決めてください。
Q6.出版社のポリシーで機関リポジトリ登録が一定期間認められない場合(エンバーゴ)、学位申請は遅らせるべきですか?
いいえ。学位申請を遅らせる必要はありません。
博士論文全文の公表をエンバーゴ期間終了後とすることが可能です。
ただし、公開予定日が「学位授与日から1年」を超えるかどうかによって、手続きが異なります。
【学位授与日から1年を超える場合】
- 「やむを得ない事由」に当てはまります。
- 「確認書」の【公開予定日:〇〇年△△月××日】に記入してください。
公開予定日が来たら自動的に公表します。
※具体的な公開予定日が不明の場合は、【公開予定日】欄の「□公開予定日は定まらない。」にチェックを入れて提出してください。その後、公開予定日が分かり次第、速やかに「確認書」を支援室に再提出してください。
【学位授与日から1年以内である場合】
- 「やむを得ない事由」には当てはまりません。
- 医系科学研究科、医歯薬保健学研究科の方は、「「広島大学学術情報リポジトリで公表することに係る確認事項」チェック表」の欄外に公開予定日をご記入ください。
Q7.インターネット公開の許諾が得られないということは、よくあるのでしょうか。また、得られなかった場合の対応はどのようにすればよいでしょうか。
はい。よくあります。得られなかった場合は「やむを得ない事由」に該当するとして「確認書」を記入の上、学位申請をしてください。「全文の要約」も必ず提出してください。
著作権について
Q1.雑誌に投稿した論文の図表を使う場合、出版社に許諾は必要ですか?
「引用」の範囲内であれば、許諾を得る必要はありません。
しかし、転載(例:1ページ大で使用)など引用を超える場合は許諾が必要です。本人が著作権を持っている場合は問題ありませんが、権利が学会や出版社に移っていれば、帰属先のそれらの団体の方針に沿う必要があります。学会・出版社によって規定が異なるため、必ず確認してください。
Q2.既発表論文の図表を転用して博士論文を作成した場合、提出した後で機関リポジトリ公表の許可をとる段階で、1つだけ許可が取れないという場合が考えられます。その場合、博士論文の全文は永遠に公表できないのでしょうか?許可が取れなかった図表を除いて博士論文を作成し直してはいけないのでしょうか?
博士論文の全文を作成し直すことはできません。
ただし、HiR公表が不可の部分を除いたものを「全文の要約」として申請していただき、研究科で承認されれば、可能な限り多くの情報を公表することが可能です。その際、「本要約は、学位論文本文から図表○○のみを除いたものである」等と注記していただくことをお勧めします。
Q3.出版社のWEBサイト等で機関リポジトリでの公表可能であると確認しました。その場合であっても出版社に許諾を申請する必要があるでしょうか?
いいえ。出版社のWEBサイトに直接書かれている場合や、投稿規定、著作権譲渡契約書(Copyright Transfer Form)に記載されている場合は申請する必要はありません。
ただし、「機関リポジトリへの登録は可能だが、事前照会を条件とする」等とある場合はこの限りではありません。
Q4.インターネットでの公表に際し、許諾のために費用がかかることはあるのでしょうか?
あります。
その場合、図書館等で費用負担するということは検討していないため、支払えない場合は「やむを得ない事由」として博士論文全文に代えて「全文の要約」の公表が可能です。
ただし、「やむを得ない事由」の判断は研究科ごとに異なるため、費用がかかる場合などは一度研究科にご相談ください。
Q5.分野ではよく使われているモデルの図を自分の論文に載せたいです。その図について、許諾が得られなった場合、自分で書き直して論文に載せれば問題ないでしょうか?
誰が書いても同じ図になるようなモデルであれば著作物に当たらず、許諾なしで掲載できる可能性があります。
また、著作物に当たる場合でも、著作権法の性質上、分野で広く使われているモデル図であれば、書き直して論文に載せても問題となる可能性は低いと考えられます。
しかしながら、問題としないためには書き直したものを掲載しても良いかを著作権者にご確認いただくことが最も確実です。
やむを得ない事由について
Q1.「やむを得ない事由」で公表予定日が指定されている場合、「やむを得ない事由」が解消された際に「確認書」を再提出する必要がありますか?
不要です。期日が来たら自動的に公表します。
Q2.「やむを得ない事由」の中で「投稿・出版の予定がある」という項目に当てはまる場合、雑誌に投稿をすると査読がどの程度の期間を要するか、全く予想がつきません。公表予定日が被授与者には推測できないのですが、その場合どうすればよいでしょうか?
「公表予定日は定まらない」にチェックを入れ、「確認書」を提出してください。ただし、公表日が決まり次第、必ず「確認書」を研究科へ再提出してください。
Q3.これから雑誌等へ投稿の予定がある部分を、「全文の要約」に全く書かないということもあり得るでしょうか?
はい。公表できる内容で要約を作成していただくため、章のタイトルのみで、その内容を全く書かないことも致し方ないと考えます。
Q4.雑誌等へ投稿予定の部分については、「内容の要旨」「審査の要旨」にも記載しない方がよいでしょうか?
記載すると新規性が失われる可能性があるような内容は、「内容の要旨」「審査の要旨」にも記載しない方が良いでしょう。
ただし、特に「内容の要旨」は審査に使用するものですので、「要旨」として十分な内容になっているかどうか、新規性とのバランスをみて判断をしてください。
Q5.「全文の要約」が公表となる場合、元の論文に近すぎても著作権の問題が発生すると考えられますが、要約のスタンダードな内容・分量等はあるのでしょうか?
要約の内容や文量については研究科で判断されますが、著作権の問題がない箇所については詳しく記述いただきたいと考えています。また、どこまで要約すれば問題が発生しないかについては、分野の慣習によって異なりますので指導教員とご相談ください。
Q6.著作権者からインターネット公開の許諾を得られず、博士論文の「全文の要約」を公表した場合、全文はずっと公表できないということになるのですか。
改めて許諾が得られる、または著作権の保護期間が終了するまでは公表できません。
特許について
Q1.特許に関係して、HiRで公表した場合の公知日はいつになるでしょうか?公聴会が公知日という認識で問題ないのでしょうか?
まず、学会発表や雑誌等に投稿した論文をもとに博士論文を執筆する場合は、雑誌等で出版される日が公知日となります。発表及び投稿の前に、必ず特許出願を行ってください。その上で、博士論文の執筆の段階で新規性のある内容を含む場合は、公聴会が公知日にあたりますので、公聴会前に全ての特許出願をすませておく必要があります。指導教員または広島大学産学・地域連携センター知的財産部門にご相談の上、早めに出願されることをお勧めします。
Q2.特許の取得から公開まで1年程かかりますが、その間に博士論文が公開される場合には「やむを得ない事由」とする必要がありますか?
特許出願から出願公開まで1年6カ月要します。特許における「新規性」は「特許出願日」を基準に審査されますので、特許出願後であれば、出願公開前であっても博士論文全文をHiRで公表することが可能です。
ただし、出願公開前に博士論文全文を公表すると不利益が生じる場合は「やむを得ない事由 H」としていただいて結構です。
Q3.「やむを得ない事由」に該当する場合、全文ファイルを求めに応じて閲覧させるということですが、それは著作権で言う「公表」や特許で言う「公知」にあたらないのでしょうか?
求めに応じて閲覧に供するという場合は、著作権でいう「公表」にはあたらないと考えます。特許においては、学会発表や論文発表の日、及び博士論文の「公聴会」を行う日が「公知日」と考えますので、それまでに必ず特許出願を行ってください。
Q4.HiRでは公表日が明記されていませんが、「やむを得ない事由」が解消されて全文が公開される時に、全文の公表日が学位授与日や「全文の要約」の公表日に遡って設定されることはないでしょうか?学位授与日や「全文の要約の公表日」が「全文の公表日」になるとすると、著作権や特許上問題が出てくるのではないですか?
HiR上では、「公表日」をデータとして保持していますので、「博士論文全文の公表日」が遡って設定されることはありません。ご安心ください。

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