
プログラムの紹介と概要
哲学・思想文化学プログラムでは,欧米・インド・中国・日本等の各地域の社会・歴史の中で受け継がれてきた人類の英知に基づいて,現代を思索する人間を育成するための教育を実施します。
西洋哲学分野では,存在・論理・認識・主観と客観など,古代から現代に至る哲学の主要問題を体系的かつ文献学的に研究することを通じて,哲学研究に必要な基礎的方法を習得し,現代の諸問題を含めて,物事を深くかつ多面的に考察する能力を養う教育を実施します。
インド哲学・仏教学分野では,サンスクリット語を習得した上で,説話・詩・戯曲などの文学作品,ヒンドゥー教・仏教などの宗教・哲学書,土着の文法書など豊かなインドの古典を通して,多様なインド世界を理解し,さらに,ブッダに始まる仏教思想がスリランカ,東南アジア,チベットにおいてどのように変化し,発展していったかを理解できる教育を実施します。
倫理学分野では,日本並びに欧米の倫理学や倫理思想史の研究を通じて世界観,人生観,価値観などを深めながら,生命・環境・情報・教育・研究・ロボット・宇宙・企業・ジェンダー・平和等に関する応用倫理学の研究に取り組むための教育を実施します。
中国思想文化学分野では,文献資料を丹念に読解することを中心に,諸子百家の論や儒教,道教,朱子学,陽明学,日本漢学など,三千年以上にわたるその長い歴史に培われてきた思想文化の内容と特色について深く研究し,現代社会に対するその文化の意義について考えるための教育を実施します。
主専攻プログラムにおける教養教育の位置付け
哲学・思想文化学プログラムにおける教養教育は,原典読解に必要な各外国語,古典語能力をはじめ,専門領域における研究を行うために必要な基礎学力を身につけるとともに,さまざまな分野の研究の方法・成果・課題を学習して,専門研究に活用できる独創的な視点を養成します。