富川 光 著
2023年2月28日刊行
「ヨコエビ」というマイナーな生物は、じつは面白い秘密に満ちあふれている。名前に「エビ」と付いているものの、エビとは全く別種で、生物としてはむしろダンゴムシやフナムシなどに近い。また生態系では、両生類や昆虫のほか、タイやサケなどの魚介類の主要な餌として重要な役割を担っている。自然界だけでなく、私たちの食卓もヨコエビに支えられているのだ。そして、マリアナ海溝のような深海から標高5,000メートルをこえるヒマラヤの氷河湖まで、地球上のあらゆる場所にたくさんの種類がすんでいる。なぜ、これほどまでに繁栄しているのか? 本書ではヨコエビに関する数々の秘密を探ることで、その理由に迫っていく。
身近なところでも海岸や湧き水など、ヨコエビはさまざまな環境に生息しており、面白い行動も観察できるため、自由研究や探究的な学習材料としても優れている。巻末には、中学校や高等学校での課題研究やクラブ活動などに役立つヨコエビの調べ方についても収録した。