プログラムの紹介と概要
日本の建築家は世界で活躍し,人類の文化創造に貢献しているが,そこには幅広い知識と深い倫理観が求められる。とりわけ広島では平和な生活環境創造のための知恵が集積されてきている。本プログラムは広島の固有性を背景に,幅広い知識と教養を学習し,かつ生活環境創造のための工学知識と技術を教育しようとするものである。今後のサスティナブルな開発,また情報化社会に対応した新しい建築物を自ら探求し,創造してゆくことのできる能力を育成する。
本プログラムでは建築設計・計画,建築環境・設備,建築構造,建築材料・生産の基本的な工学知識を 基盤として,建築経済,建築行政等の実務に必要な知識,また芸術的な創造能力などを含め,総合的に学習する。卒業生の半数以上は,大学院博士課程前期に進学し,より高度な専門技術および研究能力を修得している。卒業後は住宅・文化施設・公共施設・商業業務施設・産業施設等のあらゆる建築物の計画・設計・設備・構造・施工等,また都市計画,インテリア計画等の関連する分野の技術者,また建築家として,建築企業,住宅産業,建築設計事務所,自治体等において活躍している。
なお,本プログラムは,二級建築士の受験資格と一級建築士の受験資格のうち学歴要件(他に2年以上の 実務経験が必要)を取得することに必要な講義・演習科目を含む教育体系としている。
主専攻プログラムにおける教養教育の位置付け
本プログラムにおける教養教育は、建築に関する専門教育を受けるための学問的基盤づくりの役割を担い、自主的・自立的態度の尊重、情報収集力・分析力・批判力を基礎にした科学的思考力の養成、物事の本質と背景を広い視野から洞察することのできる視座の確立、国際人として生きるにふさわしい語学力と平和に関する関心を強化し、幅広い知識を真に問題解決に役立つ知識体系へと統合するとともに、規制の枠を超えた学際的・総合的研究を開拓し推進する能力を養成します。