研究所紹介

研究所の概要

 当研究所は広島大学唯一の附置研究所であり、大学に所属する研究所としては放射線医科学分野において我が国最大の規模を誇っています。平成14年度の抜本的な組織改編により、「原子爆弾その他の放射線による障害の治療及び予防に関する学理並びにその応用の研究」という設置目的に準拠した新たな研究推進体制が構築されました。
 具体的には、従来の原爆被爆者データベースに基づく疫学的研究や種々の物理学的手法による線量評価法の研究に加え、ゲノム科学的解析手法の導入による障害発症機構の解明や新しい治療法の開発及び急性放射線障害に対する再生医学的治療法の研究を行い、「放射線障害の研究と治療開発の世界的拠点」としての地位の確立を目指しています。
 研究所組織は「放射線影響評価部門」、「放射線医学研究部門」、「放射線災害医療研究部門」の3大部門から構成され、附属施設として附属被ばく資料調査解析部と附属放射線先端医学実験施設(所内措置)を有しています。また、令和4年度より、新たに「放射線災害・医科学研究機構(所内措置)」を設置しました。
 研究所教員は、大学院教育において 医系科学研究科の協力講座として大学院の研究指導を行うとともに、各種共通科目や専門科目の講義、演習、実習を担当しています。

理 念

  1. 大学附置研究所として我が国最大の放射線影響研究分野の中核的研究機関であり、放射線影響研究において「ヒトの放射線障害の研究と治療開発」に関し「世界の卓越した研究拠点(COE)」としての地位の確立を目指す。
  2. 得られた研究成果を大学院教育に反映させることにより、放射線影響学・医科学分野における次世代の研究者及び医師の育成や放射線災害医療などの緊急の社会的な要請に応えられる人材の養成を行う機関として機能させる。

目 標

  1. 原爆被爆者や他の放射線被ばく者にみられる各種急性・晩発障害の病因、病態、制御機構の解明とそれに基づく先端的診断・治療及び予防システムの開発を行う。
  2. 生命の基本原理であるゲノムと制御機構の破綻から発症する放射線障害に起因する病態を解析することで、ヒト疾患の病態機構を明らかにする。
  3. 積極的に得られた研究成果を発信することにより世界の被ばく者医療を支援し、究極的な治療方法としての再生医学的手法の導入を始めとする放射線障害治療方法の開発を通じて放射線災害医療システムを確立する。
  4. 大学院教育において「放射線障害医学」を始めとする広島大学に特徴的なカリキュラムを担当し、放射線障害とそれに起因する疾患発症機構に関する最先端の研究情報を交えた講義と研究指導を行うことにより、次世代の放射線医科学・医療分野の研究者及び医師の育成を行う。

 


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