研究所長挨拶

御挨拶

 原爆放射線医科学研究所(原医研)は、原爆被爆者の医療と放射線障害の解明のため、1961年に広島大学の附置研究所として設立され、被爆者白血病についての医療、医学研究などで世界をリードしてきました。現在は、放射線の人体影響に関する生物学や物理学などの基礎研究から、緊急被ばく医療や疫学的研究までをカバーする総合的な放射線医学·生物学の教育·研究を展開しています。

 2011年3月に発生した東電福島第一原発事故では、原医研は広島大学病院と連携し緊急被ばく医療支援チームを派遣し、事故発生直後から福島での緊急被ばく医療を支援しています。また、一般住民について低線量・低線量率放射線被ばくの人体に対する健康リスクが大きな問題となったため、原医研では低線量放射線影響先端研究プログラムを立ち上げ、最先端の遺伝子解析や画像解析技術などを用いた基礎研究を展開しています。

 原医研は、2010年共同利用・共同研究拠点「放射線影響・医科学研究拠点」に認定され、放射線障害医学の研究拠点として活動してきました。この研究拠点の実績を基盤とし、長崎大学原爆後障害医療研究所と福島県立医科大学ふくしま国際医療科学センターとともにネットワーク型共同利用・共同研究拠点「放射線災害・医科学研究拠点」を拠点中核機関として申請し、2016年4月に認定されました。この拠点において放射線災害・医科学研究の学術基盤を確立することで、福島復興に資する国際社会への情報発信や人材育成に3大学で取り組んでいます。また、新しい原子力災害医療体制では、広島大学は「高度被ばく医療支援センター」と「原子力災害医療・総合支援センター」に指定されました。原医研はこの事業を担う中心部局として、実効性のある原子力災害医療の充実と強化に取り組んでいます。

 原医研は、新しい放射線影響研究を展開する放射線災害·医科学の世界的拠点として「世界をリードする研究所」を目指す所存です。ご指導、ご支援を賜りますよう、よろしくお願いいたします。

                                                         所長 田代 聡


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