コア科目(必修科目)

研究グループ編成による学際知識・討論・マネジメント基礎トレーニング

コア科目は、総合科学のエッセンスを学ぶために総合科学研究科博士課程前期共通の必修科目として開設された科目です。

現代のリスク、情報化の問題、文明と環境、科学・文化の創造と想像などの複合的課題について、文理の枠を超えて複数の教員が様々な学問的視点から問題提起します。

同時に、受講生はそこから自分で新たな問題発見を導き出し、批判的思考力を鍛えつつ、討論の技法やプレゼンテーション技法を習得してプロジェクト型学習を行います。具体的には、分野の異なる博士課程前期学生5~8人で研究グループを編成し、グループ単位で課題発見と解決に向けての討論や調査を行い、成果をワークショップで発表します。  

博士課程後期学生は、ティーチングアシスタント(TA)としてコア科目のグループ研究を指導し、マネジメント技術を学びます。

コア科目は、次の4クラスで構成されています。

現代リスク論 
現代社会には様々なリスクが存在しているにもかかわらず、その多くが解決されないままである。リスクそのものが多様化し、単一の研究領域からの解決が困難になってきている。この授業では、現代社会の抱えるリスクを分析し解決するため、複数の視座を提供することを目的とする。それぞれの研究領域の有機的融合をはかるために、何をしなければならないのか、何が障害になっているのか、それを解決するにはどうすればよいのかについて議論し、考察する。

総合情報論 
情報メディアの発展は、社会や生活様式だけでなく、研究活動にも影響を及ぼしている。大学の構成員や組織が、情報メディアとどう向き合い、社会を形成していくべきかを中心に議論を進める。情報メディアのハード・ソフト面、歴史的・社会的背景や言語を含めた人間の情報伝達様式を考察しつつ、情報メディア社会を総合的角度から捉えることをねらいとする。

創造と想像
人類が文明を維持し展開する過程において、既存の文化や文明の中で新たな発想や想像が加えられていく。その際、発見や技術の進歩が積み重なることによって、新たな着想が具現化し理論的な進展が生み出される。新しい考えや文化・技術の創造・発見に到った科学史・学問史・文化史上の意義深い事例(時代背景や人間関係など)の紹介から出発して、継続的な議論を行うことによって、知的生産や文化産出についての深い理解と広汎な知識とを有機的に結びつけることを目的とする。

文明と環境 
現在の「文明と環境」が抱える問題を資料の分析を通じて発見し、その課題解決の方法をグループで考える。最初に、ミッションについて概説を行う。その後、おのおのの専門性を生かしつつ、提示された資料を分析し、課題を見つけ出してプロブレム・マップにまとめる。そして、グループでのディスカッションによって、他領域を専門とするメンバーの考え方を取り入れながら、解決の筋道や方法を考える。最後にプレゼンテーションを行い、学際・総合的な課題解決の方法を提示する。 

成果発表会


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