広島大学大学院総合科学研究科 21世紀プロジェクト
「言語と情報研究」プロジェクト
下記日程で「言語と情報研究」プロジェクト第45回公開セミナーを開催します。
(他)学部生、(他)大学院生、教員、どなたでも参加自由です (申し込み不要)。
多くの方のご参加をお待ちしております。
開催日時:2013年10月25日(金)16:15~18:15
開催場所:広島大学大学院総合科学研究科J205(J棟2階)
第1部(16:15~17:15)
演者:森川 正博 氏(名古屋外国語大学教授)
演題:「疑問文と助詞「カ」」
概要:本発表では、国文法、日本語学を含む先行研究の観察も取り入れ、統語論・意味論・語用論の視点から、主文末/補文末の助詞「カ」が関与する疑問文へのアプローチを試みる。話し手が聞き手に返答を求めるタイプの主文の疑問文において、「カ」は疑問詞と敬体では共存できるが、常体では共存しないと言われている。実はこの対比は、モダリティ表現としてのぞんざいさを表す「カ」と特定のモーダルとの連鎖の有無による。その点を明らかにして、「カ」と疑問詞の共存を統語レベルで保証し、談話レベルで疑問性の余剰からその共存を回避する原則を提案する。なお、この談話レベルの原則は、補文や、聞き手を想定しなくてもよいタイプの疑問文では作用しないことも示す。
チラシ:PDFファイル(206KB)
第2部(17:15~18:15)
演者:髙野 泰邦氏(長崎大学教授)
演題:「日本語の助詞「が」と「は」の機能と節の構造-統語論、意味論、語用論のインターフェイス-」
概要:21世紀に入り十数年が過ぎようとしている現在に至っても、日本語の助詞「が」と「は」の文章構造上における機能についての包括的、明解な定説は、確立されていないと言って良い。本公開セミナーでは、統語論、意味論、語用論の領域に複雑に作用する性質を持つ「が」と「は」の機能について反証可能な仮説を立てることにより、「が」と「は」の文章構造上の機能の解明に迫る。また、「が」と「は」でマークされる構成素が多重生起する節内の「が」と「は」の機能に焦点を当て、Luigi Rizzi (1997)で提案されたCartographyによる欧米諸言語に普遍的であるとされる節の構造モデルを援用し、日本語の助詞「が」と「は」の節の構造を提案する。
チラシ:PDFファイル(301KB)
お問合せ先
広島大学大学院総合科学研究科 安仁屋宗正
E-mail:aniya「a」hiroshima-u.ac.jp ※「a」は@に変換ください。
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