令和7年9月27日(土)および11月1日(土)の2日程で、「ソーシャルデータサイエンス体験セミナー」を開催しました。データ分析未経験者・初心者の学生/社会人を対象に、東千田キャンパスと東広島キャンパスの2会場で同一内容を実施しました。学生、社会人それぞれの立場から関心や課題意識を持つ参加者が集い、学びと対話が交差する機会となりました。
本セミナーは、広島大学大学院人間社会科学研究科の「ソーシャルデータサイエンスプログラム」の学びを体験いただく機会として企画しました。行政、産業界、教育現場など、さまざまな領域でデジタルトランスフォーメーション(DX)が求められる中、社会や市場の動向を「データで捉える力」は、意思決定の質を高めるための基礎になります。経済学・経営学の視点とAI/データサイエンスをつなぎながら、身近な課題を題材に、「データに基づいて考え、説明し、合意形成していく」プロセスに触れていただくことを目的としました。
体験研修では、事前学習としてオンライン動画の視聴とPython環境の準備を行っていただいたうえで、当日はPythonを用いたデータの可視化・基礎分析を体験しました。題材には行政のオープンデータを用い、日常の延長線上にある社会課題を、根拠(データ)に基づいて整理・検討することを重視しました。
当日は、参加者が数名ずつのグループに分かれ、テーマ設定 → データ収集・整理 → 分析 → 考察 → 発表までを短時間で一気通貫で実践しました。はじめに、課題を「何が起きているのか」「なぜ起きているのか」「誰にどのような影響があるのか」といった問いに分解し、必要なデータや指標を検討しました。そのうえで、データを整形し、グラフなどで可視化して傾向を読み取り、仮説を立てて検証し、結論と提案にまとめました。限られた時間の中でも、可視化と議論を往復することで論点が整理され、解決策の検討が具体化していく様子が見られました。
特に印象的だったのは、「身近な課題であっても、データに触れると見え方が変わる」という点です。感覚や経験だけで語りがちなテーマでも、データを用いて状況を捉え直すことで、問題の所在が明確になり、関係者間で共有しやすくなります。また、可視化を起点に議論することで、打ち手の選択肢が増え、「こういうこともできるのではないか」と可能性が広がっていくことを体験として実感いただけたように思います。ソーシャルデータの分析・活用が、社会や市場の動向把握、顧客ニーズの抽出、公共サービスの改善などに役立つ「社会のセンサー」として機能し得ることを、短い時間ながら体感いただく機会となりました。
参加者からは、
「学生と社会人が一緒に議論でき、多様な視点に触れられた」
「身近な問題でも、データに基づいて理解・判断する重要性を実感した」
「可視化して議論すると論点が整理され、解決策の選択肢(可能性)が広がると感じた」
「おぼろげだったデータサイエンスが身近に感じられ、自分でも取り組めると分かった。まずは一歩やってみようと思えた」
などの声が寄せられました。データサイエンスを「遠い専門領域」ではなく、自分の関心や仕事の課題に引き寄せて捉えられたことが、次の学びにつながる手応えになったようです。
ご参加いただいた皆様、運営にご協力いただいた関係者の皆様に、心より御礼申し上げます。本セミナーをきっかけに入学につながった参加者もおられたことから、2026年度も引き続き開催を計画しています。開催の際は、ホームページやプレスリリース等でご案内いたしますので、奮ってご参加賜りますようお願い申し上げます。

Home