【研究紹介】非接触塩分測定システム開発のための分光放射計搭載ドローン飛行実験を行いました



大学院工学研究院(大学院工学研究科輸送・環境システム専攻耐空耐航性能研究室)の作野裕司准教授らの研究グループが,2015年度科研費(挑戦的萌芽研究)



  「自立飛行UAVを利用した閉鎖性水域の非接触塩分測定システムの開発」
(研究代表者: 作野裕司)



の一環として,2015年9月11日(金)の午前中(9~11時)に,分光放射計を搭載したUAV(Unmanned Aerial Vehicle: 無人航空機,通称ドローン)を,東郷池(鳥取県東伯郡湯梨浜町)の埴見川河口で飛ばすことに成功しました。

飛行は鳥取県の許可のもと行われ,鳥取県衛生環境研究所BIZWORKS社ジーウイング社の協力で実現しました。

当日は地上で2~3m/sとやや強い風が吹いていましたが,自動制御されたドローンは,地上約15mであらかじめ決められた6点をホバリングで観測し,自立飛行で離陸地点に無事帰還しました。ドローンの飛行直後には,調査船において,ドローンと同型の分光放射計で水面の分光反射率を計測するとともに,塩分,水温,クロロフィルa,SS等の水質項目を測定しました。

従来,カメラを載せたドローン観測はよく行われていますが,高価な分光放射計を載せた観測はほとんど行われていませんでした。また,これまでリモートセンシング観測が困難と言われていた塩分を測定する技術を開発する点で,新規性が高い実験と位置付けています。

今後は,今回取得されたデータ等を解析し,ドローンによる非接触塩分計測技術を開発する予定です。



使用した分光放射計設置ドローン

使用した分光放射計設置ドローン(全景)


自動制御設定の様子

自動制御設定の様子


飛行前風速設定の様子

飛行前風速設定の様子




ドローン試験飛行の様子 動画(YouTube)



ドローンによる観測風景

ドローンによる観測風景(右側の写真は東郷池中の観測の様子)


同期観測船での採水の様子

同期観測船での採水の様子






【この記事に関する問い合わせ先】

 大学院工学研究院 エネルギー・環境部門(耐空耐航性能研究室)

 准教授 作野裕司

 TEL: 082-424-7773


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