夏休みジュニアサイエンス2017「自然エネルギーを利用したエコロジー船の科学」を開催しました

集合写真

 
2017年8月5日(土)午後(12:30~17:30)に,夏休みジュニアサイエンス2017「自然エネルギーを利用したエコロジー船の科学」を,本学(東広島キャンパス内)にて開催しました。

このイベントは,公益社団法人日本船舶海洋工学会と当専攻が主催(共催)となり,東広島市教育委員会の後援の下で,学外の一般の方々には普段あまり触れることがない本学所有の実験装置(試験水槽棟など)を総合的に利用して,小中学生を対象に,波や風などの自然エネルギーを利用したエコロジー船についての体験学習を通して,船舶海洋技術の基礎について学ぶ機会を提供することでこの分野への興味と関心を深めてもらうことを目的として,隔年で開催しています。
 

今回は,先着順によって小中学生(受講生)30名とその保護者の方々が参加され,以下に示す4つの体験学習コー ナー()を設け,次世代技術の一つである地球環境に優しいエコロジー船について学んで頂きました。

(説明を聞く受講生と保護者の方々の様子)

 
① 風の力で動く船コーナー

帆船模型に風を作用させ,抗力・揚力を利用して前進する船の原理を学んだ後,参加者が作成した帆の向きによって船の速度と向きが変わることを各自で実験しました。

(風力で進む帆船の操作と解説の様子)

 
② 波の力で動く船コーナー

波の水粒子運動の動きを学ぶとともに,波作用下にある水中翼が流体力を受けて波上・波下に進むことを模型を使って体験しました。さらに,この原理を利用した波浪推進船の走行試験を見学し,一層の理解を深めました。

(波の力で前進する模型船の見学と解説の様子)

 
③ 船の強さコーナー

船の基本的な構造様式について学んだ後,船の強度と軽量化の技術を体験するために,各自が発砲スチロールを用いたスティフナ付き平板の構造部材を製作して重りをどれだけ載せることが出来るか実験を行い,船体構造の工夫と強さを体験しました。また,切欠を有する鉄製パイプと液体窒素を用いて鉄の脆性破壊実験を行い,普段知ることない鉄の脆さを体験しました。

(構造部材についての解説と製作・実験の様子)

(鉄の脆性破壊実験の様子)

 
④ ウォータージェット推進船コーナー

模型材料には,バルサ,角材,ペットボトル等を使用し,参加者全員がウォータジェット推進船を自ら製作しました。その際,ペットボトルタンクから噴出されるジェット水塊を推進力として,水抵抗の少ない高速な船型になるように,参加者自らが船体(バルサ)を紙やすりで成形しました。最後に,全員でタイムレースを行いました。当コーナーでは上位3名が表彰されることもあり,受講生のみならず保護者の方々も協力して熱心に模型船を製作していました。タイムレースは0.1秒の争いとなり,大変盛り上がりました。

(推進船製作の様子)

(タイムレースの様子)
動画(YouTube)は下を参照。

 
今回の受講生は幅広い学年(小学1年から中学2年)にわたっていて,様々な視点から数多くの質問があり,エコロジー船や海洋に関する様々な知識や興味が深まったと思われ大変有意義な機会になりました。今後,船舶海洋分野とその関連分野を志す若者が益々増え,モノづくり技術の継承と発展が進むことを期待しています。

このイベントに関する問い合わせ先

 大学院工学研究科 輸送・環境システム専攻(構造システム研究室
​ 准教授 田中 義和
 TEL: 082-424-7814
 


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