それぞれの道を歩む先輩たち

小倉 亜紗美さん

『仕事も子育ても貪欲に!』
呉工業高等専門学校 人文社会系分野 准教授

教員・研究者・母として:みんなが暮らし易い社会のために

 私は現在、呉工業高等専門学校(以下、高専)の教員として働きながら、技術者の卵たちに社会課題の解決のために何が出来るかを考え行動してもらうための教育、そして環境保全についての研究と地域活動をしています。家に帰ると2022年7月に5歳になった息子のお母さんとして、子どもに向き合う日々を過ごしています。

小倉 亜紗美さん

 私は和歌山高専の機械工学科在学中に、環境保全に強い関心を持ち、広島大学に編入学しました。大学院では川の水質についての研究をしていましたが、大学院卒業後に広島大学国際センターや平和センターでの仕事を経て、現在の仕事に辿り着きました。転々と仕事をしているようにも見えますが、私が経験してきた環境保全と国際交流、平和構築には深い繋がりがあります。これらの分野を経験できたことで、学生さんに環境保全や国際交流、平和構築に工学がどのような貢献が出来るかを伝えることが出来るようになり、「自分の歴史を味方に付ける」ことが出来たと感じています。今は子育てをする中で見えてきた外国にルーツを持つ子どもたちを取り巻く問題の解決にも力を入れており、保育園の先生と外国籍の保護者のコミュニケーションを助ける指差しツールを開発しました。子どもは私に「新たな視点」をもたらしてくれました。

 私たちが暮らす社会は常に変化しています。その変化に伴い生じた問題に気づき行動を起こすことで、みんなが暮らし易い社会に少しずつ変えていくことが出来ると信じています。

学生の皆さんへ:子育ては「新たな視点」をくれる

 女性は、結婚や出産をしたら自分が家事・育児をすべて背負わなければいけないと思いこんでしまいがちですが、結婚しても、子どもが生まれても、自分の夢や目標を諦めずに追い続けることができます。諦めずに貪欲に人生を謳歌してほしいと思います。男性にはもし子どもが出来たら、手伝いとしてではなく、主体的に子育てに関わってほしいと思います。その経験は、人生の充実度を深め、仕事にもきっと「新たな視点」をもたらしてくれると思います。

(『あなたがあなたの道を歩むために』2023年度版~掲載)
*所属・職名等は『あなたがあなたの道を歩むために』2023年度版掲載時点のものです。


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