第33回企業訪問 中国醸造株式会社

 2017年11月27日,当研究科分子生命機能科学専攻の田島誉久助教と学生22名が,広島県廿日市市の中国醸造株式会社に訪問させていただきました。

 中国醸造株式会社は,1918年(大正7年)に創業され,清酒,焼酎,みりん,リキュール,ウイスキーなど様々なお酒を製造する,県内1位の生産量を誇る総合酒造メーカーです。

 まず,管理部部長の倉田様から,企業概要に加えて,同社が世界で初めて開発した紙容器入りのお酒「はこさけ一代」や,広島名物を再現したお酒「もみじ饅頭のお酒」の誕生のエピソードなど興味深いお話を伺いました。また,今後も競争に勝ち抜くために,伝統のある商品を維持継続することに加えて,常に新しいことへチャレンジしていきたいとのことでした。

 続いて,企画開発商品開発ディビジョン開発主任の山本様から,醸造酒,蒸留酒,混成酒の概略について説明をしていただいた後,3グループに分かれて清酒蔵,乙類焼酎製造所及び桜尾蒸留所を見学させていただきました。

 清酒蔵では,製造部副部長の油田様に清酒の製造工程についてご説明いただきました。製造は機械化が進んでおり,少人数での製造が可能となった現在も,様々な工程で職人の技が必要とされるとのことでした。

 乙類焼酎製造所では,製造部蒸留課課長補佐の橋本様に焼酎の製造工程をご説明いただきました。原料の紅あずまを発酵させている仕込中のタンクを見ることができ,蒸留前のタンク内は黄色く,バナナのような甘い香りがしていました。

 新設された桜尾蒸留所では,企画開発商品開発ディビジョン開発主任の山本様に稼働前の施設をご案内していただきました。真新しい蒸留器やタンクはとても美しく,見(魅)せる施設として照明にも工夫されていました。なお,12月からウイスキーの製造が始まりますが,市場に出るのは3年後とのことでした。

 見学後,意見交換・質疑応答が実施され,学生から活発な質問があり,山本様,油田様,橋本様には熱心にお答えいただきました。

 お忙しい中,ご対応いただきました中国醸造株式会社の皆様に深く感謝いたします。

【参加学生のアンケートより】

・今回の企業訪問で主にお酒作りについて実際に目で見ることができてとても貴重な体験ができました。教科書で学んだことには製造についてのこともあったので、次は1から目で製造行程を見てみたいです。

・バナナの香りのする清酒がとても印象的でした。今まで勉強したことを実際に見る機会がなかなかなかったのですが、今回酒蔵を生で見れて良い経験になりました。ありがとうございました。

・地元企業の現状、未来の経営計画などを教えていただき、とても有益な経験ができました。また、生産プロセスの詳細についていろいろ勉強ができました。

・インターンシップ等で訪問した企業なども工場内を見せてもらったが、中国醸造の方が大がかりなタンク等を持っていて、とても圧倒された。企業のコンセプトや戦略も説明して下さり、企業を今後選ぶにあたって参考にできそうだと思った。

・価格競争がある中で競争に加わらず別の視点に着目し焦点をあてる点、そして数多くの商品が出回るこの時代に新たな発想力(もみじまんじゅうの酒)などを短いスパンで企画開発をする点に感銘をうけました。


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