世界をリードする研究拠点をめざして
先端物質科学研究科は,物質や生命の根本原理を探求する理学的研究グループと,その根本原理を人類のために活かす先端的技術開発を行う工学的研究グループと によって構成されています。理学と工学の両グループは科学技術の最先端の問題を共有しており,その問題解決のために異なる視点から取り組んでいます。ま た,従来の物質科学と生命科学のそれぞれの枠を越えた問題の解決のために,両者の協力・融合研究も進めています。本研究科はこのような学際領域において, 世界をリードする特色ある拠点を目指しています。そのために,当研究科の量子物質科学専攻,分子生命機能科学専攻,半導体集積科学専攻の三専攻は互いに協力して教育・研究に取り組んでいます。
科学技術の進展と世界のグローバル化とともに,大学院で学位を取得した人たちが社会でますます重要な役割を果たす時代に入っています。学位取得者には,専門 分野の研究方法や高度な技術に習熟していることに加えて,周辺領域の学識,高い志と実務能力をもって,国際社会の様々な問題の解決に挑戦することが期待されています。
このような要請に応えるために,当研究科の教育では新たな工夫を行っています。充実した専門科目はもちろん,他分野入門のための融合科目やコミュニケーション科目,実践キャリア科目を設けています。また,学外研究機関や民間企業との協働によるプログラムも開設しています。平成19年度からはすべての専攻で「半導体・バイオ融合教育プログラム」を開設し,次世代を担う研究者・技術者を育成しています。
沿革
先端物質科学研究科発足(平成10年4月)
広島大学の自然系大学院整備の一環として,主として理学部物理学科,理学部物性学科,工学部第二類(電子物性工学講座),工学部第三類(発酵工学講座)を母体とし,総合科学部,ナノデバイス・システム研究センター(現:ナノデバイス・バイオ 融合科学研究所)及び遺伝子実験施設(現:自然科学研究支援開発センター遺伝子実験部門)の協力,さらに国税庁醸造研究所(現:独立行政法人酒類総合研究 所)との連携のもとに2専攻(量子物質科学専攻,分子生命機能科学専攻)の独立研究科として発足しました。
3専攻構成に再編(平成16年4月)
量子物質科学専攻の3研究室と,ナノデバイス・システム研究センター(現:ナノデバイス・バイオ融合科学研究所)からの協力強化によ り,半導体集積科学専攻を設置し,3専攻構成に再編しました。