5研究科共同セミナーとして,第7回HiHA Seminarを開催します。
(主催: HiHA 広島大学健康長寿研究拠点 共催:Genes to Cell Seminar)
ぜひご参加ください。
【演題】多能性幹細胞における核ダイナミクスと遺伝子発現ゆらぎの関係性
【講演者】落合 博 氏
(JSTさきがけ 大学院理学研究科数理分子生命理学専攻特任講師)
【日時】平成28年9月1日(木) 14:00-15:00
【場所】広島大学先端科学総合研究棟 3F 302S会議室
【概要】
胚性幹(ES)細胞や人工多能性幹細胞などの多能性幹細胞は、種々の細胞種へと分化誘導させることが可能で、再生医療をはじめ、創薬や疾患研究への応用が期待されている。これら多能性幹細胞では、同一環境下であるにも関わらず、多能性維持に重要な転写因子Nanogを含む種々の遺伝子発現量の多様性が認められる。こういった多様性の出現機構は微小環境の違いや遺伝子調節ネットワーク中のネガティブフィードバックが関与していると考えられているが、未だに不明な点が多い。発表者はこれまでに、転写のライブイメージングを通して、Nanog遺伝子プロモーターの活性状態の確率的変動が遺伝子発現量の多様性に有意に寄与していることを見出した。さらに、特定内在遺伝子の転写及び核内局在を同時に可視化する技術を確立し、Nanog遺伝子が転写活性依存的に核内挙動を大きく変化させることを見出した。本発表では、遺伝子の核内挙動と発現量の細胞間多様性の関連について議論するとともに、最近成果が得られている別プロジェクトの内容についても紹介したい。