第23回応用動物科学セミナー(4研究科共同セミナー: 6月2日)



演題:『動物をいじめる子どもの心にひそむもの:幼児期における動物介在教育の必要性』



講師: フランク・R・アシオーン氏(ユタ州立大学心理学部教授)



日時: 6月2日(金)12:50−14:20



場所: 生物生産学部C206



内容:近年、神戸の少年A事件、宮崎勤事件、バスジャック事件、タリウム服毒事件など、主だった事件を追うと、身近な動物を虐待した後に対人犯罪へとつながっているように見えます。ところが、日本においては、動物虐待と対人暴力の関係についての研究は皆無と言ってもよく、どのぐらい動物虐待があり、それがどのように犯罪に結びついているのかさえ分かっていない状態です。一方、欧米では、今回来日されるフランク・R・アシオーン教授を筆頭に、長年この問題に取り組んできています。アシオーン氏は、膨大なフィールドデータから、動物虐待と対人犯罪との関係性の全体像を見出した、この分野の世界的な第一人者です。このたびは、全国の講演の一環として広島大学で講演していただくことになりました。



フランク・R・アシオーン氏のプロフィール

ユタ州立大学心理学部教授、家族・人間発達学科助教授。動物介在教育プログラム研究を経て、対人暴力と動物虐待の研究を長年続けている。子どもの反社会的・向社会的行動の発達についての論文も数多く、特に「小児虐待」「家庭内暴力」「動物虐待」のリンクをデータから提唱したことはめざましい研究成果である。人と動物の相互作用国際学会及び国際人間動物学協会2001年優秀研究者賞を受賞。「動物虐待と対人暴力〜研究・応用読本」、「小児虐待・家庭内暴力・動物虐待:防止と介入のための思いやりの輪のリンク」(共に1998年)を共同編集、「ペットのための避難場所:暴力被害女性のためのペット・シェルター・プログラムのガイドライン」(2000)を執筆。2005年に執筆された集大成である「子どもが動物をいじめるとき:動物虐待の心理学」(ビーイング・ネット・プレス社)がこの4月に翻訳された。


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