第13回 数理分子生命理学セミナー(4研究科共同セミナー:10月11日)



日時: 平成18年10月11日(水) 14:35〜



場所: 理学部E210



講師: 楯 真一 教授(分子生物物理学教室)



演題: ポスト構造ゲノム時代の蛋白質構造解析 

− 蛋白質構造の何をどのように明らかにすべきか



要旨: 1959年にKendrewにより発表されたミオグロビンのX線結晶構造解析の成功より50年足らずの間に,蛋白質立体構造解析は急速な技術的な発展を遂げ,昨今の構造ゲノムプロジェクトの実施につながった.この間,WuthrichによるNMRを用いた溶液中での蛋白質立体構造決定技術の確立と相まって,現在では39,000件の蛋白質立体構造情報がデータベースに登録され,さらに指数関数的に立体構造情報集積が進められている.この急激な蛋白質構造研究の進展は,蛋白質の立体構造決定の科学的な価値を低下させ,構造生物学という研究領域そのものを変容させた.同時に,結晶構造あるいは溶液での平均構造を解明するだけでは説明できない生命現象の多様性をも浮き彫りにし,新たな蛋白質研究の展開の必要性を明らかにしている.今回の講演では,蛋白質立体構造研究の現状を紹介し,蛋白質立体構造研究を今後どのような方向に展開すべきかを,分子生物物理学研究室で進めつつある研究プロジェクトの紹介とともに議論する.



≪本セミナーは4研究科共同セミナー認定科目です≫



連絡先:坂本 尚昭(理学研究科 数理分子生命理学専攻 内線:7447)


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