第19回 数理分子生命理学セミナー(4研究科共同セミナー:11月29日)



日時: 平成18年11月29日(水) 14:35〜



場所: 理学部E210



講師: 新木 敏正 教授(日本薬科大学 健康薬学科 生化学分野)



演題: ビタミンDと骨代謝



要旨: 生命は海から生まれ、その後様々な分化・進化が繰り返されたことによりヒトが誕生したと考えられている。特に陸に棲息の場所を変えるときには極めて大きな環境適応に向けた変化が必要であった。

骨・カルシウム代謝の側面から環境適応への進化を調べてみると、十分なカルシウムが含まれる海での生活には、カルシウムを低下させるホルモンが必要となり、カルシトニンが最初に獲得されたようである。その後、淡水を経て陸へと棲息場所を変える時には、カルシウムを効率よく吸収するために必要なビタミンDが作られるようになり、最後にカルシウムを摂取できない陸での棲息への適応として、それを蓄積しておくための組織として骨を獲得したと考えられる。

そこで、本セミナーではカルシウムの恒常性におけるカルシウム代謝関連臓器の役割と、その機能を調節するビタミンD、副甲状腺ホルモンならびにカルシトニンの相互作用について概説したい。



≪本セミナーは4研究科共同セミナー認定科目です≫



連絡先:大山 義彦(理学研究科 数理分子生命理学専攻 内線:7458)


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