演題:カナダにおける家畜福祉の現状及び家畜福祉に関する研究動向について −家畜福祉が生産者にもたらす利益とは−
講師:Anne Marie de Passille 博士(カナダ農業・農産食糧省)
Jeffery Phillip Rushen 博士(カナダ農業・農産食糧省)
日時:平成18年12月4日(月)15:00〜16:30
場所:生物生産学部C314
Anne Marie de Passille 博士とJeffery Phillip Rushen 博士の御専門は家畜行動学及び家畜福祉学です。Anne Marie de Passille 博士はカナダマクギル大学においてPh.D.を取得された後、カナダ農業・農産食糧省のレノックスビル研究ステーションの研究員として家畜の行動及び福祉全般に関する研究を続けてこられました。Jeffery Phillip Rushen 博士はオーストラリアクィーンズランド大学においてPh.D.を取得された後、オーストラリア、カナダ、ドイツの大学及び研究所の研究員を経て、カナダ農業・農産食糧省のレノックスビル研究ステーションの研究員として、特に牛の福祉に関する研究を続けてこられました。現在はAnne Marie de Passille 博士とともにブリティッシュコロンビアのアガシセンターの研究員として活躍されておられます。
両博士はブリティッシュコロンビア大学を始めとして世界中の大学で家畜の福祉に関する教鞭を取っておられるだけでなく、家畜の行動と福祉の研究分野における世界のリーダーとして、デンマーク、ドイツ、フランス、スウェーデン、日本の研究者と国際共同研究を活発に行っておられます。特に現在では、繋ぎ飼育、ルースハウジング、ロボット搾乳などのあらゆる管理システム下にある牛の福祉と健康を向上させるために、カウコンフォート(牛の快適性)の評価方法の開発、牛のハンドリング方法、新しい管理技術の開発、人と家畜との関わりに焦点をあてた研究を行っておられ、カナダの家畜福祉の国家基準の策定にも関わっておられます。
このたびは、瀬戸内圏フィールド科学教育研究センターにおいて家畜の健康及び福祉の向上に関する共同研究(谷田・木場)を実施するために、日本学術振興会外国人招聘研究者として来日されており、大学院共同セミナーでのご講演を快諾していただきましたので、大学院生のみなさんを始めとして多くの方々のご来場をお待ちしております。
世話人:フィールド科学教育研究センター 谷田 創