第5回数理分子生命理学セミナーのお知らせ(4研究科共同セミナー:5月30日)



日時: 平成19年5月30日(水) 14:35 〜

場所: 理E210

講師:大前英司 助教(広島大学大学院理学研究科数理分子生命理学専攻)

演題:深海微生物由来酵素の機能特性



深海は高圧・低温の極限環境であるが,このような環境下にも多くの生物が生育している。深海生物の細胞内は外界と同じ圧力になっているため,深海生物が持っているタンパク質はそれ自体に何らかの耐圧機構を持っていると考えられる。この耐圧機構を解明することを目的として,我々はこれまでに多種の深海微生物に由来するジヒドロ葉酸還元酵素(DHFR)をクローニングし,大腸菌で発現させて精製し,その機能に対する圧力の効果を同属の圧力感受性菌や大腸菌由来のDHFRと比較・検討してきた。その結果,好圧性微生物由来のDHFRは100MPaの加圧下でも高い酵素活性を保持していることなど,特徴的な性質を持っていることがわかってきた。セミナーでは本研究の概要を紹介するとともに,酵素機能やタンパク質の安定性などをモデルに基づいて定量的に評価する方法を,できるだけ数理系の人にも興味を持ってもらえるように,数式なども用いて紹介していきたいと考えている。



《本セミナーは4研究科合同セミナー認定科目です》



連絡先:瀬野裕美(理学研究科数理分子生命理学専攻 内線7394)


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