日時：平成19年6月6日（水） 14:35 〜

場所：理E210

講師：平岡裕章　助教

（広島大学大学院理学研究科数理分子生命理学専攻）

演題：N体問題の宇宙開発への応用



万有引力相互作用が働くN個の質点の運動を調べることをN体問題とい

う。その起源は１７世紀，ニュートンの運動法則を用いて天体の運動を理解しようとしたことに始まり，以後様々な分野で応用されている。

宇宙開発の観点からは，まずNASAのボイジャー計画の際，N=2の場合の

結果がロケットの軌道設計に使われた経緯がある。最近では，1970年代以降に整備された力学系理論（特に安定／不安定多様体理論）を用いて，(1)宇宙空間における低コスト輸送問題，(2) 宇宙ステーションの設計，などへの新たな応用が考えられている。

講演では最も初歩的な２体問題，制限３体問題について概観し，現在の宇宙開発への応用 (1), (2) についての簡単な解説を試みる。



《本セミナーは４研究科合同セミナー認定科目です》

連絡先：瀬野裕美（理学研究科数理分子生命理学専攻　内線7394）