日時:平成19年7月4日(水) 14:35 〜
場所: 理E210
講師:寺東宏明 助教(広島大学大学院理学研究科数理分子生命理学専攻)
演題:電離放射線特異的なDNA損傷構造
〜放射線生物影響におけるキーダメージとしてのクラスターDNA損傷〜
クラスターDNA損傷は,電離放射線が標的細胞をビームとして通過する際
に,ビーム周辺に局所的に生じるラジカル種により,標的DNA分子上で局在性をもって生じる損傷群のことである。このような損傷形態は,電離放射線によって特異的に生じるとされ,これが放射線生物影響の様態に反映されていると考えられる。クラスターDNA損傷の概念は,明確には1980年代から提唱されていたものであるが,ここ数年のDNA修復酵素研究の進展により,ようやくその実験的な研究が進展しつつある。このような現状を踏まえ,クラスターDNA損傷と放射線特異的な事象との関連性を,実際の研究成果を交えて考察する。
《本セミナーは4研究科合同セミナー認定科目です》