【研究成果】学生の卒業研究成果が国際学術雑誌「ZooKeys」に掲載 ~深海ヨコエビの1種を新種として発表~

松上紗千教育学部学生(現 先端物質科学研究科博士課程前期学生)は、指導教員の富川光准教授、そして中野隆文日本学術振興会特別研究員とともに、深海ヨコエビの1種を新種トヨタマミコヨコエビ(学名:Nicippe recticaudata)として発表しました。これは平成28年度教育学部卒業研究の成果です。

トヨタマミコヨコエビは、宮崎県都井岬沖の水深約300 mの深海から採集されました。本研究では、このヨコエビの詳細な形態と遺伝子データを調べ、これまで知られているどの種とも異なる新種であることを明らかにしました。

本研究の結果は、地球上にはまだ名前のつけられていない種が多くあること、すなわち生物多様性がいかに解明されていないか、ということを端的に示すひとつの成果です。本研究を契機に、今後、このヨコエビの仲間の多様性の解明に向けた世界的な研究の進展が期待されます。

本研究は、教育学部における学部教育課程のまとめにあたる、卒業研究として行われました。学生には、1) 先行研究を調べ、2) 自らの研究を実施し、3) 英語論文として成果を発表する、という基礎科学研究の一連の過程を経験してもらいました。これからも基礎科学研究を通して、ただ生物学の「知識を備えただけ」でなく、「自ら学び開拓する」教員人材の養成に貢献します。

本研究の成果は、平成29年4月12日に、動物の新種記載論文を中心に掲載している国際学術雑誌ZooKeys(ブルガリア)に発表されました。

平成29年4月10日、本件について、広島大学東広島キャンパスにおいて記者説明会を行いました。

新種トヨタマミコヨコエビ(学名:Nicippe recticaudata)

【松上さんのコメント】

まずは驚きの一言です。ご指導いただいた先生方に感謝の気持ちでいっぱいです。今後研究分野は大きく変わりますが、今回の研究を活かして今後も頑張りたいと思います。

【論文情報】
  • 論文名:A new species of the genus Nicippe from Japan (Crustacea: Amphipoda: Pardaliscidae)
  • 著 者:Sachi Matsukami, Takafumi Nakano and Ko Tomikawa(責任著者)
  • DOI番号:10.3897/zookeys.668.12181
お問い合わせ先

広島大学大学院教育学研究科
准教授 富川 光(とみかわ こう)

Tel:082-424-7093

E-mail:tomikawa*hiroshima-u.ac.jp (*は半角@に置き換えてください)


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