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エンドトキシンは、大腸菌や緑膿菌などに代表されるグラム陰性菌に由来し、血中で発熱などの生体反応を引き起こす物質のため、医療現場では従来から、エンドトキシンの管理が重要視されてきました。特に、血液透析治療に使用する透析用水については、ISO基準より厳しい基準値が設定されており、日常の水質管理業務では、より迅速で・簡便に・正しく測定できる事へのニーズがさらに高まっています。
広島大学大学院先端物質科学研究科の黒田章夫教授らの研究グループは、エンドトキシン検出に有用な「生物発光法(※)」を開発し、その技術を活用して、東亜ディーケーケー株式会社が新しい試薬と測定器を製品化しました。
新しい測定方式の採用により、短時間(約20分)・高感度(検出限界0.0003EU/ml)の測定が可能になり、また、従来法と十分な相関関係があることも確認されました。
今回の研究成果について、黒田教授は、「これまでの測定方法の時間(約3時間)に較べて飛躍的に短時間でエンドトキシンが検出できる様になりました。救急患者さんの敗血症の診断にも活用できるのではないかと思っています」とコメントしています。
新たなエンドトキシン計「ルミニッツ」
(※)生物発光法
リムルス試験法(エンドトキシンの検出に利用される代表的な手法)を定量化する測定方式の一つです。リムルス反応で生成した物質と、このたび製品化した試薬との酵素反応により起こる発光現象を捉える事で、より迅速・高感度の測定が可能となりました。
広島大学 大学院先端物質科学研究科 教授
黒田 章夫(くろだ あきお)