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本研究成果のポイント
- 増殖する細胞の核サイズを適切に制御するためには、核と細胞質間の輸送(mRNAの核外輸送)と脂質代謝の二つの細胞内プロセスが重要であることを発見しました。
- mRNAやタンパク質の核内蓄積や異常な脂質代謝が、核の肥大化を引き起こす要因であることを突き止めました。
- がん細胞や老化した細胞は、異常な核構造(核の肥大化や歪な核形態)を示すことから、本研究成果は、細胞のがん化や老化の理解に貢献することが期待されます。
概要
広島大学大学院先端物質科学研究科・広島大学健康長寿拠点の久米一規助教らの研究グループは、酵母を用いた研究により、細胞が増殖する際に、自身のもつ核の大きさを適切に制御するために重要な細胞内プロセスを明らかにしました。そのプロセスは、核と細胞質間の輸送(mRNAの核外輸送)と脂質代謝で、その制御に関わる遺伝子が機能しなくなると核が肥大化することを発見しました。
本研究成果は、5月18日午後2時(米国東部標準時間)に、米国オンライン科学誌「PLOS Genetics」に掲載されました。
本研究は、英国フランシス・クリック研究所のPaul Nurse博士との共同研究による成果です。
論文情報
- 論文題目:A systematic genomic screen implicates nucleocytoplasmic transport and membrane growth in nuclear size control
- 著者:Kazunori Kume*, Helena Cantwell, Frank R. Neumann, Andrew W. Jones, Ambrosius P. Snijders, Paul Nurse
*Corresponding author (責任著者) - 掲載雑誌:PLOS Genetics
- doi:10.1371/journal.pgen.1006767
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大学院先端物質科学研究科
助教 久米 一規(くめ かずのり)