広島大学大学院統合生命科学研究科
特任教授 登田 隆, 助教 湯川 格史
TEL:082-424-7868, 7754
E-mail:takashi-toda*hiroshima-u.ac.jp, myukawa*hiroshima-u.ac.jp
(注:*は半角@に置き換えてください)
広島大学大学院統合生命科学研究科・広島大学健康長寿研究拠点の登田 隆特任教授、湯川格史助教のグループは岩手大学農学部の木村賢一博士、理化学研究所環境資源科学研究センターの越野広雪博士との共同研究により、キク科植物セイタカアワダチソウ抽出液からモータータンパク質の一つであるヒト14型キネシン(HSET/KifC1)の働きを阻害する新規低分子化合物(低分子コラベン酸誘導体)を同定することに成功し、その化合物が抗癌活性を有することを発見しました(図1)。14型キネシンは、中心体制御に異常をきたした癌細胞において過剰産生された中心体を擬似的に二極にクラスター化させる役割があり、本来致死となるはずの多極紡錘体形成を抑えることにより、乳癌をはじめとする多くの癌細胞の増殖を促進することが明らかにされています。従って、本研究で得られた低分子化合物を基に、より特異的で副作用の少ない抗癌剤開発につながることが期待されます。また、本研究で行った分裂酵母を利用した阻害剤探索アプローチは、癌のみならず他のヒト疾患に関わるキネシン以外の原因タンパク質を標的とした阻害剤スクリーニングにも即応用可能であることから、本研究は種々の疾病治療薬シーズを体系的に発掘するためのブレークスルーとなる発展性を秘めています。
本研究成果は、「Bioorganic & Medicinal Chemistry」オンライン版に令和元年11月8日に掲載されました。
(図1)ヒト14型キネシン阻害物質としてセイタカアワダチソウから新たに発見した低分子コラベン酸誘導体と分裂酵母および乳癌細胞における阻害効果
広島大学大学院統合生命科学研究科
特任教授 登田 隆, 助教 湯川 格史
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掲載日 : 2019年11月29日
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