AGILEワークショップin Indiaでインドへ

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氏原 由博さん(哲学・思想文化学コース インド哲学・仏教学分野)の留学体験談をお届けいたします。

  • 留学先:ビルラ技術科学大学ピラニ校(インド)
  • 留学プログラム:AGILEワークショップin India
  • 留学期間:2024年8月27日~2024年9月8日

インドはどんなところでしたか。

 第一印象は、「この国すごいな」というのが正直なところでした。
 着陸に向けてデリーに近づく中、飛行機の窓から見えた町の家の連なりに、インドの人がもつエネルギッシュな爆発力を、広大な大地にその国のポテンシャルを感じて圧倒されたことを覚えています。
 現地に滞在していると、出会う人みんなエネルギッシュで、それが振る舞いから感じとれる人、眼から感じとれる人、窓から感じたエネルギッシュな爆発力はホントやなと思いました。

AGILEワークショップin Indiaに参加しようと思ったきっかけは何ですか。

 仏像好きの私にとって、インドは仏教の生まれた国で、その本場です。私の専攻もインド哲学・仏教学、こりゃあ行くっきゃないと思ったのが、参加しようと思ったきっかけです。

ビルラ技術科学大学ピラニ校での学生生活について教えてください。

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 現地では大学の寮に泊めていただきました。インドというと、カレーをイメージされると思いますが、やっぱりカレーなのです。食堂でビュッフェスタイルで食べたいものを選んでいくのですが、毎食カレーなのです!日本でいうところの、味噌汁みたいなものです。豆のカレー、野菜のカレー。一週間くらいしてくると、現地テイストのカレーに慣れてくるもので、お気に入りの味が見つかってきたのは面白かったです。

 二週間近く現地に滞在していましたが、その大半は現地の学校でアントレプレナーシップに関する集中講義を受けていました。

 ブロックチェーンやサプライチェーンなど、普段の学びでは触れたことのない内容が盛り沢山でついていくのが大変でしたが、そばにいたインドの学生が持参した自由帳に「貸して!これってこういうことなんよ!」という感じで書いて教えてくれました。分からないときは、はっきり言葉にして伝えることが本当に大切なんやと、現地の学生の温かさとともに実感した出来事でした。

留学してよかったこと、印象的だったこと、一番の思い出などについて教えてください。

 留学してよかったことは、やっぱりインドを肌で感じることが出来たことだと思います。普段やっていることはインド思想・仏教思想に関する古い文献を読解することで、それはある種のノスタルジーみたいなものなのです。「昔の人はどんなことを考えていたのかな~」ということを文字を通して理解していく営みなので、肌感覚の学びの域に属していないのです。日本から物理的な距離を置き、マイノリティーになって現地で一定期間生活する経験をすることでしか得られない学びがそこにあるような気がします。

 印象的だったことは、ジャイプールを訪れた際に立ち寄ったごはん屋さんでの出来事です。結構いい雰囲気のレストランで、かかっているBGMは生演奏でした。インドの伝統楽器なのかなぁと思いますが、ボンゴみたいなものを叩きながら歌っているのをそばで見ていて、面白いなとついタップのようなものを踏んでいると、「あんちゃん踊んなよ!」という雰囲気になり、気づいたら謎のデュエットをしていました。ここでも食事はやっぱりカレーで、20分ぐらいしてくるとお腹が一杯になり食べ終わるのに時間がかかってしまい、一緒に行ったメンバーとは別の便で、インドのアテンダントの方と滞在先の宿に戻ることになりました。

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 会計をするときに「さっき踊ってたの見せてよ~」と言われたので、とりあえず踊ったのですが、その方は会計に夢中だから見ていなくて…もうカオスです笑
 そういうことがインドでの一番の思い出です。

現在どんなことを研究されていますか。

 専門はインド哲学・仏教学です。その中でも、釈迦が話したとされる言葉が記されている文献『スッタニパータ』を読解して、先行研究で行われた訳・解釈を自身の訳と照らし合わせて、より精緻な訳と新たな解釈や疑問点を提起するということをしています。

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将来の夢は何ですか。

 模索中です。研究者なのか、教員なのか、民間企業なのか、起業なのか、表現者なのか、選択肢は色々ありますが、自分のやりたいこと/気持ちの向いていることが、他者(社会)との関係のなかでどこに位置するものなのか、そのセンサーを働かせながら見つけていきたいです。個人的には直観的な生き方が肌に合ってると思っているので、それを論理の冷めた目で把握しつつ、

(やりたいこと/夢中になれるもの)×(できる状態:能力・経済力)×(社会的な要素:需要)

この三要素を掛け合わせた三角形をメタな視点で楽しみおもしろがりながら、生きていきたいです。
 三要素を自分なりにチューニングして心地よいメロディーを作り、ゆくゆくはそこに重層的な構造をもって深みが立ち現れてくる、そういう人生が歩めたらと思ってます。

「留学したい」と考えている学生へメッセージをお願いします。

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