メールマガジン No.105(2021年9月号)

リテラ友の会 メールマガジン  No.105(2021年9月号) 2021/9/29

□□目次□□
1.広島大学オンラインオープンキャンパス2021報告
2.2021年度地理科学学会春季学術大会 優秀発表賞受賞報告
3.文学部ニュース
4.広報委員会より

1.広島大学オンラインオープンキャンパス2021報告

  今年度もコロナ禍の中、昨年に引き続き、オンラインによるオープンキャンパスを開催しました。
  8月16日から22日までオンデマンド配信を行い、8月20日及び21日はオンラインによるグループ相談会を行いました。

  8月19日は、現地型のオープンキャンパスを実施予定でしたが、コロナの感染拡大によりやむなくオンラインに切り替えました。文学部のスタッフも皆さんに会えることを楽しみに準備を進めていました。来学を楽しみにされていた皆さんには申し訳ありませんでした。

  さて、当日は、文学部では、6つの時間帯を作り、各時間帯を各コースに振り分け、質疑応答は個別ではなく、各コースの時間帯に参加した人全員が同時に見聞きできるようにしました。参加された方からの質問内容は、文学部でどんなことが学べるのか、取得できる資格・免許について、1年生のうちからやっておいた方がよいこと(素晴らしい学習意欲ですね)、他学部との違いについて、図書館について、総合型選抜II型の課題図書に対する準備方法について(これについては入試の選考基準に関わることなのでお答えできませんでした)、卒業後の進路先(就職先)などでした。おかげさまで通信トラブルもなく、無事に終了することができました。ご協力いただきました皆様にお礼申し上げます。来年度は、コロナが収束して、現地型オープンキャンパスが開催され、皆様にお会いできることを楽しみにしております。

 今年度のオンデマンド配信のオープンキャンパスは、2021年9月末まで以下のURLからご覧いただけます。御覧いただければ幸いです。

オンライン会場となった文学部大会議室

オンライン会場となった文学部大会議室

文学部紹介動画を制作してみて【哲学・思想文化学コース 西洋哲学分野 山口栄理香】

  私が作った動画は高校生のためのものでしたが、作成に当たって私自身にも得るものがありました。

  まず、動画制作の方法を学ぶ機会を得られました。これまで自分で動画をつくる経験はあまりありませんでした。しかし、この紹介動画の作成を経て、今まできっかけもなく関心もあまり向けていなかった、しかし今後必要となるであろう動画制作の初歩を知ることができました。

  次に、人に紹介するために情報を整理し文章化することで、所属するコースの理解を深めることができました。自分が何を勉強しているのかを端的に説明することには不安がありました。情報の取りこぼしを危惧したり、専門分野の用語や説明に間違いがないか、断言しきっていいのか迷うことがありました。けれども、今伝えられる範囲のことを単純にわかりやすく伝えるという指針のもと作成を進めることで、結果的にシンプルで明快な動画になり、さらに自分自身の認識もはっきりさせることができたと感じています。

  また、所属する分野についてだけでなく、コース全体の情報を整理したことで、他の分野についても知ることができました。同じコース内でも分野が違えば、なかなか交流の機会はなく、何をしてるのか把握していませんでした。動画作成に当たって他分野の学生から話を聞きましたが、共通点もある一方で基本的には全く違うことを学んでいて、非常に新鮮で、楽しかったです。

  10分足らずのシンプルな動画ではありますが、作成する機会を得られて良かったと思います。また、このコロナ禍でオンライン授業が多く、学年の感覚が薄くなってきている中で、まだ見ぬ後輩に向けて説明する体験は非常に面白いものでした。

2.2021年度地理科学学会春季学術大会 優秀発表賞受賞報告

  2021年6月19日に開催された2021年度地理科学学会春季学術大会で、人文学プログラム博士課程後期1年の山中蛍さんが、最も優秀な若手研究者と認められ、優秀発表賞を受賞しました。受賞された山中さんに感想を投稿していただきました。

地理科学学会優秀発表賞の受賞について  ー博士課程後期1年 山中 蛍ー
 この度、大変光栄なことに、2021年地理科学学会春季学術大会において優秀発表賞を授与いただきました。このような形でご報告ができること、ありがたく思っています。

  受賞となった発表の題目は「糸魚川-静岡構造線活断層系の白州断層の活動履歴―尾白川右岸地点におけるトレンチ調査結果―」で、私の修士論文の成果を発展させたものです。地形を詳しく判読して活断層の分布図を作成し、さらにその活動史を読み解くために、断層を横切る大きな溝(トレンチ)を掘削して得た成果です。

 発表内容となった調査について少し紹介します。掘削調査は、南アルプスの天然水で有名な山梨県北杜市の森林のなかで、昨年の12月初旬に行いました。私が主体となって実施する初めての掘削調査で、断層の出現は確実と思って調査を始めましたが、パワーショベルが溝を掘るあいだ中、断層が出てくるかどうか不安を感じながら見守っていました。掘削された溝の地層を観察し、断層を確認することができた時は本当にうれしかったのを思い出します。院生・学部生の協力を得えながら3日かけて地層の観察やスケッチを行いました。日の短い季節で、しかも西に南アルプスが迫り、15時には山の端に日が沈む状況で、日中の限られた時間しか作業できませんでした。また、朝は観察すべき地層に霜柱が立つほどで、防寒をしながらの作業となりました。しかし、観察で得た解釈は、経験豊富な研究者の方々とほぼ同様であることがわかり、大変うれしく、苦労が吹き飛ぶようでした。

 今回の発表はオンラインで行われ、聴衆の反応はよくわかりませんでしたが、賞をいただけたということは、自然地理学を専門としない地理学の研究者にも内容を伝えることができたのではないかと安堵しています。最後になりましたが、指導教員の後藤秀昭先生を始め地理学教室の先生方、学術大会の関係者の皆様、調査を支援してくださった皆様に、この場を借りて、御礼申しあげたいと思います。これを励みに研究論文を早めにまとめ、また、今後も断層活動と地形形成の関係を解明しながら、地理学の研究者となれるよう引き続き精進したいと思います。

トレンチ調査の様子

トレンチ調査の様子

表彰状を手にする山中螢さん

表彰状を手にする山中蛍さん

3.文学部ニュース

○広島大学ホームカミングデー文学部企画「文学部で味わう 世界のティータイム」を開催します
【 日 時 】2021年11月6日(土曜日) 14:00から
【 場 所 】B104講義室・文学部1階 学生ロビー
※発表留学生の国名 ・地域名
1.台湾
2.インドネシア
3.スリランカ
※ 詳細は文学部HP・人文学プログラムHPでお知らせします。

○広島大学公開講2021(後期)を開催します。
【講座名】フィールドから読み解く地域の特徴と文化
【 日 時 】11月27日、12月4日、11日いずれも土曜日 13:00〜14:30
【 会 場 】オンライン(Zoom)
【 定 員 】100名
【 対 象 】どなたでも
【 受講料 】無料
※ 詳細は広島大学公開講座HPをご覧ください。

○リテラ「21世紀の人文学」講座2021を開催します。
【テーマ】疫病の時代を生きる
【 日 時 】2021年12月4日(土)13:30~16:40(1日 2講座)
【 会 場 】合人社ウェンディひと・まちプラザ(まちづくり市民交流プラザ)
               北棟 5階 研修室A・B(広島市中区袋町6番36号)
※ 詳細は文学部HP人文学プログラムHPをご覧ください。

4.広報委員会より【広報委員会委員 劉 金鵬】

  受験生になった気分で「HIRODAI EXPO」を開き、動画を通してキャンパスを「周遊」してみました。動画を作る側の工夫と熱意がスクリーンから伝わってきます。「WITH コロナ」の日々が続いている中、いつの間にか周りの環境が変わり、キャンパスを覆う木々や草々にふっと目線が留まると、いつもより繁茂していることに気づきます。私たち自身も変わっています。空間の感覚が制限される一方、映像が提供してくれた世界は無限に広がっています。山口さんのお話を読んで、学年の感覚が薄くなっているように、時間のあり方も変わっていると悟りました。大学の在り方そのものは、変わり続けていくのではないでしょうか。
  国内移動が困難になっている状況で、現地で発掘調査を続けられている山中さんも、この混乱した時空間の中できっと大変苦労されていると思います。受賞、誠におめでとうございます。

 「名月必ずしも満月ならず」と言いますが、今年の中秋は満月でした。9月21日が旧暦の中秋になり、中国からたくさんの祝福メールがスマホへ飛び込んできした。また、日本でも月見が話題になって、時間も空間も錯乱状態になりそうでした。公開講座や世界のティータイムなど、盛り上がるイベントはこれから始まります。円満に開催できることを祈っています。

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編集長:広報委員長  末永高康
発行:広報委員会

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