メールマガジン No.79(2017年5月号)

リテラ友の会 メールマガジン No.79(2017年5月号)  2017/5/18

□□目次□□
1.「総合人間学」特別講義レポート
2.オリエンテーションキャンプ参加記
3.文学研究科(文学部)ニュース
4.広報・社会連携委員会より

1.「総合人間学」特別講義レポート

ネイスン・ホプソン先生
「半径5メートルの好奇心から―歴史研究と資料調査―」を聴く

                                                                    総合人間学講座教授 河西英通

  文学研究科の一年は集中講義「総合人間学」から始まる。すでに10年ほどの歴史があり、当初は合宿スタイルをとっていたが、諸般の事情から全日程をリテラ教室で行うようにしたのは、2012年度からである。同年から特別講義を組み込み、毎回、外国人研究者をゲストスピーカーに招いてきた。6回目になる今年は、名古屋大学特任准教授のネイスン・ホプソン先生をお招きして、表題に関する1時間余の講義をうかがった。

  日本学、とりわけ東北研究を専門とされているホプソン先生は、〈戦後思想としての東北〉〈万博と原発の矛盾〉〈1937年春の「平和」〉などのテーマに加えて、学校給食や食品サンプルに関する興味深いお話を通じて、身近の資料の持つ魅力を論じてくれた。

  会場からは数多くの質問が出された。繰り返し質問をしたある中国人留学生はつぎのようにのべている。「自分を中心にして、半径5メートルの範囲の中の出来事にも、5W1H、つまりWhat, When, Who, Where, Why, Howを常に抱いて探せば、いろいろな研究テーマが見つかる。」「「中古本だって立派な資料」と主張している先生は、「身近に注目」というテクニックを一貫して重要視し、今まで人々にあまり関心を持たれていなかったところに大切な研究資料も見つかるかもしれないと、ご自身の資料観をはっきり披露された。」

  大学院に入学し、一人前の「研究者」として自覚を持てと言われても、ほとんどの学生は不安のなかにいるだろう。さて、研究とは何なのか、どうすれば論文は書けるのか、資料っていったいなにか......。暗中模索している多くの受講生は、ホプソン先生のお話を「道標」のように受け止め、安心感を抱いたのではなかろうか。
ホプソン先生の気さくなお人柄と素晴らしいご講演を堪能させてもらった。あらためて感謝する次第である。

 

ネイスン・ホプソン先生

2.オリエンテーションキャンプ参加記

○就学相談室 金子 肇(歴史文化学講座教授)

  毎年恒例の「新入生オリエンテーションキャンプ」が、4月15日・16日の2日間にわたり「国立山口徳地青少年自然の家」で行われました。参加したのは、新入生138名に加え、新入生歓迎行事実行委員会のスタッフ学生180名(2年次生119名、3年次生61名)、教職員9名の、総勢なんと320名を超える大人数。私は、今回が就学相談室の室員として昨年に引き続き2回目の参加でした。

  朝9時にバス7台に分乗して学生たちは大学を出発。昼前に青少年の自然に家に到着するや、昼食をとるのももどかしく13時の入所式からさっそくメニューが始まり、新入生とスタッフ学生たちが懇親を深める様々な企画が続きました。ただし、残念ながら、あいにくの強風と雷で初日夜に計画されたキャンプ・ファイヤーは中止となり、代わりに屋内でキャンドル・サービスが行われました。

  私は、キャンドル・サービス前の「シングル&ペアダンス」(星野源のヒット曲「恋」がバック)を覗き見したのですが、その圧倒的なエネルギーに思わず後ずさりしてしまうほどでした。躍動する彼ら・彼女らを前にして、「せめてこのパワーの一部分でも勉学に生かされたなら……」などと考えるのは野暮なこと。しばし、呆けたようになって、男女でペアを組みダンスに興じる学生たちを眺めていたのでした。

  2日目は午前中にオリエンテーリングが行われ、予定されていた行事は無事終了。青少年自然の家との連絡にミスもあったようですが、半年以上もの長い間、この2日間に向けて準備を重ねてきたスタッフ学生の頑張りに拍手を送りたいと思います。

  新入生よりスタッフ学生の方が多いってどうなの、という意見もあるでしょう。また、会場も検討し直す必要がありそうです(徳地はさすがに遠い)。しかし、新入生にとって、オリキャンは入学間もない時期に先輩と交流できる貴重な場であるようです。オリキャンに参加することで自分は1人ではないと感じた、という新入生の言葉が印象に残っています。オリキャンの意義は何よりもこういったところにあるのだろうなあ、というのが2年間参加させてもらった私の感想です。

○オリエンテーション実行委員会 山口佐和子(日本・中国文学語学/日本文学語学分野3年)

  文学部では、毎年4月に「新入生オリエンテーションキャンプ(通称「オリキャン」)」を行っています。今年も同月15日・16日に新入生と2・3年生、文学部の教職員の方々の総勢約300名で「国立山口徳地青少年自然の家」へ行き親睦を深めるためのキャンプを行いました。

  オリキャンは新入生によるスタンツから始まり、新入生のフレッシュな姿にとても盛り上がりました。夜はキャンプファイヤーの予定でしたが、あいにくの天気で体育館の中でのキャンドルの集いとなってしまいました。それでも、ダンスをしたりして楽しい時間を過ごしました。最後の各班のリーダーからの一言では本番までの1年間の準備期間を自分たちで運営してきたリーダーたちの頼もしい姿を見ることができました。

  2日目は天候にも恵まれ、徳地の山に登りオリエンテーションを行いました。そして、最後まで大きな事故もなく無事にオリキャンを終えることができました。

  新入生にとってオリキャンは、大学で始めての仲間を作る大きな機会です。またそれだけでなく、オリキャンではユニークな専攻の紹介、先輩からの履修登録のアドバイスなど大学生活をスムーズに始められるための企画をたくさん計画しています。

  新入生にはオリキャンが大学生活の全てではないと理解してもらいつつも、オリキャンで出会った仲間や先輩との絆をこれからも大切にし、充実した大学生活を送ってもらいたいです。

  最後になりますが、今回のキャンプはオリキャン実行委員会の私たちにとっても周りの人の助けや協力無しには大きなことは成し遂げられないということを学習する良い機会となりました。新入生だけでなく、携わる全ての人の成長の場となりうるオリキャンのこれからの成功と発展を願っています。

新入生オリエンテーションキャンプ
新入生オリエンテーションキャンプ
新入生オリエンテーションキャンプ

3.文学研究科(文学部)ニュース

○ひろしま遺跡再発見!ー広島大学考古学研究室の歩みとともにー

【会期】平成29年4月21日(金)〜6月11日(日)

【会場】みよし風土記の丘ミュージアム(広島県立歴史民俗資料館 企画展示室)

詳しくはこちらをご覧ください。

○文学研究科ロビーの展示替えをしました

今回のテーマは「庶民が記録した文書≪村方文書≫~備後国恵蘇郡奥門田村栗本家文書~」

詳しくはこちらをご覧ください。

ぜひ、お立ち寄りください。

4.広報・社会連携委員会より 【広報・社会連携委員会委員長  高永茂】

   二十四節気の一つに「小満」があります。だいたい5月21日ごろを指します。小満とは、万物の成長する気が長じて命がしだいに満ち満ちていくころのことです。3月多くの学生の旅立ちを見送って少々寂しくなったキャンパスに、また新たに学生を迎えることができました。学部のオリエンテーションキャンプや大学院の集中講義を経験しながら、少しずつ学生生活に馴染んでいってくれるものと思います。学生の皆さんの生活が充実したものになることを願ってやみません。

 

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